ヒーハイスト精工は調整一巡して戻り歩調、18年3月期大幅増収増益・増配予想で再増額の可能性

 ヒーハイスト精工<6433>(JQ)は直動機器を主力として、小径リニアボールブッシュの世界トップメーカーである。18年3月期大幅増収増益・増配予想である。さらに再増額の可能性が高いだろう。株価は04年来高値圏から反落したが、調整一巡して戻り歩調だ。

■小径リニアボールブッシュの世界トップメーカー

 球面加工技術や鏡面加工技術をコア技術として、直動機器(リニアボールブッシュや球面軸受けなど)、精密部品加工(レース用部品や試作部品の受託加工など)、ユニット製品(液晶製造装置向けなど)を展開している。小径リニアボールブッシュの世界トップメーカーである。

 主力のリニアボールブッシュは、機械装置の稼働部に用いられる部品で、金属と金属の接触面を鋼球が転がりながら移動することで摩擦による影響を低減し、機械装置の寿命を延ばす役割を担っている。

 17年3月期の製品別売上構成比は直動機器55%、精密部品加工33%、ユニット製品12%だった。主要販売先はTHK<6481>および本田技研工業<7267>である。収益面では産業機械・電子部品・自動車関連の設備投資動向の影響を受けやすく、設備投資関連のため四半期業績が変動しやすい特性もある。

 収益力向上および経営基盤強化に向けた重点方針として、生産能力向上とコストダウンによる採算性向上、QCDの徹底追求による顧客対応力の強化、顧客ニーズに適合した応用製品の開発と販売、主力製品リニアボールブッシュの競争力強化による拡販、提案型技術営業による新規顧客開拓、海外販売網の構築・強化、従業員の上昇志向と能力の向上を掲げている。

■18年3月期大幅増収増益・増配予想、さらに再増額の可能性

 今期(18年3月期)の連結業績予想(10月30日に増額修正)は、売上高が前期(17年3月期)比15.0%増の25億31百万円、営業利益が76.9%増の2億57百万円、経常利益が91.2%増の2億55百万円、純利益が83.8%増の1億54百万円としている。配当予想(10月30日に増額修正)は2円増配の年間4円(期末一括)で、予想配当性向は16.1%となる。

 第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比52.1%増の13億46百万円、営業利益が3.9倍の1億77百万円、経常利益が5.3倍の1億75百万円、純利益が4.7倍の1億20百万円だった。

 直動機器、精密部品加工、ユニット製品とも需要が大幅伸長し、計画を大幅に上回った。製品別売上高は、直動機器が産業用機械向けの好調で36.2%増の7億77百万円、精密部品加工がレース用部品の好調で60.7%増の4億17百万円、ユニット製品が液晶製造装置向けの好調で2.8倍の1億51百万円だった。売上総利益率は30.6%で0.9ポイント上昇、販管費比率は17.5%で7.2ポイント低下した。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が53.2%、営業利益が68.9%、経常利益が68.6%、純利益が77.9%と高水準である。通期会社予想は再増額の可能性が高いだろう。

■株価は調整一巡して戻り歩調

 株価は04年来高値となる10月30日758円から反落したが、11月15日の直近安値454円から切り返している。調整一巡して戻り歩調だ。

 12月14日の終値578円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS24円80銭で算出)は23~24倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間4円で算出)は0.7%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS497円75銭で算出)は1.2倍近辺である。時価総額は約36億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線回復の動きを強めている。調整一巡して戻りを試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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