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クリナップは18年3月期減収減益予想の織り込み完了、低PBRも見直し
- 2017/12/15 07:46
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
クリナップ<7955>(東1)はシステムキッチン大手で、システムバスルームも展開している。リフォーム市場の低迷などで18年3月期減収減益予想だが、株価は織り込み完了感を強めている。0.6倍近辺の低PBRも見直し材料だろう。
■システムキッチンの大手でシステムバスルームも展開
システムキッチンの大手である。厨房部門(システムキッチン)を主力として、浴槽・洗面部門(システムバスルーム・洗面化粧台)も展開している。なお収益は新設住宅着工件数やリフォーム需要の影響を受けやすい特性がある。
17年3月期の部門別売上高構成比は厨房部門79%、浴槽・洗面部門16%、その他5%、販売ルート別売上高構成比(単体ベース)は一般ルート(工務店・リフォーム)79%、ハウスメーカー16%、直需(マンション)5%だった。
中期経営計画では「ザ・キッチンカンパニー」の確立を目指し、重点施策として中高級品の販売強化、リフォーム市場で競争優位となる商品の開発、ショールームを核とした販売戦略の推進、サプライチェーン全体での原価低減活動の強化、設備投資およびコストの最適化などを推進している。
■18年3月期は減収減益予想、19年3月期の収益改善期待
今期(18年3月期)の連結業績予想(11月1日に減額修正)は、売上高が前期(17年3月期)比3.0%減の1103億円、営業利益が29.6%減の14億円、経常利益が27.6%減の13億円、純利益が47.7%減の7億円としている。
第2四半期累計は、売上高が前年同期比6.5%減の530億85百万円、営業利益が51.6%減の6億01百万円、経常利益が45.7%減の6億26百万円、純利益が66.2%減の3億16百万円だった。新設住宅着工戸数の伸び鈍化、リフォーム市場の低迷で計画を下回り、減収減益だった。
通期ベースではシステムキッチン「S.S.」「クリンレディ」や、17年9月新発売したシステムバスルーム「ユアシス」など中心に拡販を強化し、原価低減の推進にも努めるとしている。今期(18年3月期)は減収減益予想となったが、来期(19年3月期)の収益改善に期待したい。
なお配当予想は前期と同額の年間20円(第2四半期末10円、期末10円)としている。予想配当性向は104.5%となる。
■株価は18年3月期減収減益予想の織り込み完了、低PBRも見直し
株価は800円台でモミ合う形だ。18年3月期減収減益予想の織り込みは完了しているようだ。
12月14日の終値888円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS19円13銭で算出)は46~47倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は2.3%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1437円82銭で算出)は0.6倍近辺である。時価総額は約322億円である。
週足チャートで見ると26週移動平均線近辺でモミ合う形だが、徐々に下値を切り上げている。0.6倍近辺の低PBRも見直し材料だろう。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)