イワキ<8095>(東1)
イワキ<8095>(東1)は、医薬品・医薬品原料・表面処理薬品などを主力とする専門商社である。大正3年創業の100年企業として、医薬・FC事業部、HBC事業部、食品事業部で人々の暮らしを健康分野から支えるとともに、環境活動や社会貢献活動などCSR(企業の社会的責任)活動にも積極的に取り組んでいる。
医薬品・医薬品原料・表面処理薬品などを主力とする専門商社
1914年に薬種問屋の岩城市太郎商店として、東京の薬街である日本橋本町で創業した。その後、医薬品商社として成長するとともに、化粧品・健康食品・工業薬品の分野へ多角化を推進した。1963年イワキ株式会社に改称して東証2部市場へ上場、2005年東証1部に市場変更した。そして2014年には創業100周年を迎えている。
現在は医薬品・医薬品原料・表面処理薬品などを主力とする専門商社で、岩城製薬(医薬品)やメルテックス(表面処理薬品)のメーカー機能も強化している。
事業区分は医薬・FC(Fine Chemical)事業(医薬品原料の製造・販売、医薬品の製造・販売、体外診断薬・研究用試薬・医療機器の販売)、HBC(Health & Beauty Care)事業(化粧品原料・機能性食品原料の販売、一般用医薬品・関連商品の卸売、化粧品通信販売)、化学品事業(表面処理薬品・電子工業薬品・化成品の製造・販売、表面処理設備の製造・販売)、食品事業(食品原料の製造・販売)としている。
CSR活動に積極取り組み
医薬・FC事業部、HBC事業部、食品事業部で人々の暮らしを健康分野から支えるとともに、社会貢献活動や環境活動などCSR(企業の社会的責任)活動にも積極的に取り組んでいる。
環境活動レポート(2015年12月~2016年11月)によると、環境方針に「地球環境保護に努める」「環境関連法規を遵守する」「環境活動の継続的改善を実施する」「省資源・リサイクル活動・グリーン購入を推進する」「環境教育を実施し環境活動を周知する」を掲げている。そして資源消費量の削減、一般廃棄物の削減と再資源化、産業廃棄物の削減などで一定の成果を上げた。今後も引き続き環境活動を継続し、環境負荷の低減に努めていく方針だ。
なお医薬・FC事業部ではグループ会社の岩城製薬静岡工場において、2016年からE=環境(土壌汚染防止)、H=健康(作業衛生)、S=安全(防災)を整備するEHS投資を推進している。高品質な製品を作り続ける生産体制「GMP体制」に加えて、従業員および近隣住民の環境・健康・安全を守り続ける生産体制「EHS体制」を整備する。製品・従業員・近隣住民を大切にする体制を構築することで、事業のグローバル展開に向けて欧米の医薬品メーカーからの信頼を得ることに繋がる。
またHBC事業部では、三和酒類(株)が製造する大麦乳酸発酵液ギャバの拡販に取り組んでいる。ギャバは麦焼酎「いいちこ」の製造工程で発生する焼酎粕を食品素材として加工したもので、循環型生産事業の一環から生まれた素材である。そして機能性表示食品に対応した素材として注目されている。
社会貢献活動としては、2012年2月から東京「中央区緑のアダプト活動」に参加している。この他にも、グループ会社・事業所において、各地の清掃活動、献血活動、Ecoプロジェクトなどに積極参加している。
創業111周年の2025年11月期目標は連結売上高1000億円以上
中期経営計画の目標値には2018年11月期売上高600億円、営業利益10億円、ROIC4.0%以上を掲げ、中長期ビジョン「Vision i-111」では目標数値に、創業111周年の2025年11月期の連結売上高1000億円以上、ROIC10.0%以上を掲げている。CSR活動への積極取り組みも事業基盤強化や収益拡大に貢献することが期待される。