【編集長の視点】グローバルGは続落も連続減益織り込み来年度予算案閣議決定を前に政策人気が再燃余地

 グローバルグループ<グローバルG、6189>(東1)は、前週末15日に37円安の1811円と続落して引けた。今年11月13日に発表した今2018年9月期業績が、連続減益と予想され市場コンセンサスを下回ったことで持ち高調整の売りが続いた。ただ、テクニカル的には、東証第1部への市場変更(今年9月29日)が承認された9月22日の安値1806円を前に下げ渋る動きもみせた。今年12月22日に来2018年度(平成30年度)予算案が閣議決定されることを先取り、安倍内閣の「一丁目一番地」の優先政策の子育て支援関連株人気の再燃を期待する下値買いも交錯した。今年11月1日に本格運用を開始した子育て情報アプリ「HAPIKU」を今年12月に横浜市で公開しエリアを拡大することも、株価注目度を高めるとして期待されている。

――――今期も保育所17施設を新規開設し職員数を500名超増強と成長戦略を推進――――

 子育て支援策は、 安倍晋三首相が消費税増税の使途を変更することを争点に踏み切った10月22日投開票の衆議院選挙で、幼児教育無償化と並ぶ与党の目玉政策となっている。同総選挙が、自民・公明の与党の圧勝となったことから政策推進に拍車が掛かっており、来2018年度予算では保育所の整備や子どもを保育所や幼稚園に預ける費用などの補助に約1兆1000億円の予算措置が講じられる。グローバルGは、首都圏で保育所を運営しているが、このうち待機児童がもっとも集中する東京での施設数が80施設、定員合計が5210人と業界トップに位置しているだけに、政策メリットを大きく享受することになる。

 現に同社は、今2018年9月期に保育所を17施設(前2017年9月期末118施設)、定員数を1074名(同6213名)、職員数を3100名(同2572名)に拡充するなど成長戦略を強力継続する。ただ、この先行投資負担から今2018年9月期業績は、売り上げが162億4500万円(前期比23.5%増)と連続の2ケタ増収となるものの、利益は、営業利益2億7800万円(同31.7%減)、経常利益13億3900万円(同9.4%減)と続落を予想している。純利益は、前期に計上した減損損失2億2800万円が一巡して8億5500万円(同8.0%増)と増益転換を見込んでいる。

 なお「HAPIKU」は、子会社のグローバルキッズが、保育事業者として初めて2016年6月から運営した子育て食育WEBマガジンにモバイルコンテンツと公園NAVI機能を追加して今年11月1日に本格運用し、「保育園の給食レシピ」、子育て相談のほか、公園NAVIでは東京23区内の各自治体が提供する5600カ所超の公園データを網羅し、GPS機能を使ったルート検索も可能としてお出かけをサポートしており、12月に横浜市の公園データも公開する。

――――東証1部変更前の安値水準で下げ渋って調整一巡感を強め直近調整幅の半値戻しへ再発進――――

 株価は、今年8月の前期業績の上方修正に東証1部への市場変更、さらに解散・総選挙での与党圧勝と株価押し上げ材料が続いて今年10月に年初来高値2586円まで約950円高し、今期業績の連続減益予想が響いて窓を開けて1740円安値まで売られたあと下げ過ぎ訂正で2083円までリバウンドして窓埋めをした。足元では、東証1部市場変更承認前の1800円台下位で下値を再び確かめている。年初来高値からは1カ半の日柄調整を経過し今期連続予想は織り込み済みとして政策関連人気を再燃させ、「HAPIKU」公開の話題性もオンして底上げに弾みをつけ、再度の窓埋めからまず年初来高値から直近安値への調整幅の半値戻し水準の2100円台回復へ再発進しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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