【アナリスト水田雅展の銘柄分析】シンプロメンテは15年2月期減益の織り込み完了、16年2月期の収益改善期待で反発局面

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 店舗設備・機器メンテナンスサービスを展開するシンプロメンテ<6086>(東マ)の株価は、2月12日発表の前期(15年2月期)利益減額修正も嫌気して16日に836円まで下押す場面があった。ただしその後は900円近辺に戻してモミ合う展開だ。失望売りが一巡して前期減益の織り込みが完了した形であり、今期(16年2月期)の収益改善期待で反発局面だろう。

 大手飲食・小売チェーンを主要顧客として、店舗における内外装および各種設備・機器(厨房機器、給排水・衛生設備、空調・給排気・ダクト設備、電機設備、照明機器、ガス設備、看板、自動ドア・ガラス・鍵・シャッターなど)の不具合を解決するメンテナンスサービスを提供している。

 事業区分としては、ワンストップメンテナンスサービスとメンテナンスアウトソーシングサービスを展開している。ワンストップメンテナンスサービスでは、各種設備・機器の突発的なトラブル発生時に対応する緊急メンテナンスサービスを主力として、各種設備・機器の点検・整備・洗浄・清掃を定期的に行う予防メンテナンスサービスも提供している。メンテナンスアウトソーシングサービスは、当社のメンテナンス体制を厨房機器メーカーにOEM的に提供することで、メーカーのメンテナンス業務のサポートを行っている。

 全国の店舗から24時間365日、修理・メンテナンスの依頼を受け付け、依頼の種類・地域・内容などに応じて全国の協力業者(メンテキーパー)から適切な業者を選定・手配し、店舗の設備・機器等の不具合を解決するサービスが特徴だ。14年2月期末時点の顧客店舗数は13年2月期末比8.4%増の2万8507店舗、メンテキーパー数は同5.1%増の4831社である。

 前期(15年2月期)の業績(非連結)見通しについては、2月12日に売上高を増額、利益を減額修正した。前回予想(4月11日公表)に対して売上高は67百万円増額して前々期比16.1%増の42億67百万円、営業利益は1億16百万円減額して同44.3%減の1億03百万円、経常利益は1億16百万円減額して同42.1%減の1億03百万円、純利益は62百万円減額して同39.8%減の62百万円とした。

 なお配当予想については前回予想(4月11日公表)を据え置き、前々期から記念配当5円を落として年間10円(期末一括)としている。

 外注費など売上原価の高騰、将来的・長期的な受注拡大を見据えた人員確保による販管費の増加で利益は計画を下回り、一転して減益見通しとなった。ただし売上高は、大口の新規顧客の獲得や、メンテナンス業務のアウトソーシング化に取り組む一部既存顧客との取引量拡大などで、期初計画を上回る大幅増収見通しだ。

 緊急メンテナンスサービスでのサービスエリア拡大、新規顧客開拓、既存顧客との取引量拡大、予防メンテナンスサービスでのエアコンや冷凍・冷蔵機器のメンテナンス増加などで、飲食店向けを中心に依頼件数は増加基調である。今期(16年2月期)は人件費など先行投資負担が一巡して収益改善が期待されるだろう。

 中期成長に向けた重点戦略としては、新規顧客開拓によるシェア拡大を目指している。ワンストップメンテナンスサービスでは外食業界以外の小売、理美容、教育、医療・介護、宿泊・娯楽などの業界にも新規顧客開拓を推進する。メンテナンスアウトソーシングサービスでは、サービスをOEM的に提供する企業の増加を目指すとともに、個人経営店舗向けの提供も視野に入れてシェア拡大を図る方針だ。

 外食業界や小売業界などでは、店舗の老朽化や人手不足の深刻化、店舗の衛生環境改善や従業員の労働環境改善に対する意識の高まりも背景として、メンテナンス業務のアウトソーシング化が一段と進展することが予想される。新規サービス開発なども寄与して中期的に収益拡大が期待されるだろう。

 株価の動きを見ると、1月14日発表の第3四半期累計(4月~12月)大幅減益を嫌気して1000円近辺でのモミ合いから急落し、さらに2月12日発表の前期利益減額修正も嫌気して2月16日に836円まで下押す場面があった。ただしその後は900円近辺に戻してモミ合う展開だ。失望売りがほぼ一巡したようだ。

 3月3日の終値885円を指標面で見ると、前期推定PER(会社予想のEPS35円97銭で算出)は24~25倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は1.1%近辺、前々期実績PBR(前々期実績のBPS454円80銭で算出)は1.9倍近辺である。

 週足チャートで見ると右肩下がりの13週移動平均線が戻りを押さえる形だが、日足チャートで見ると横向きに転じた25日移動平均線突破の動きを強めている。失望売りが一巡して前期減益の織り込みが完了した形であり、今期の収益改善期待で反発局面だろう。

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