トランプ減税策のメリットをフルに享受
竹内製作所<6432>(東1)は、昨年12月22日にトランプ大統領が署名して今年1月から実現する連邦法人税の減税で「米経済にロケット燃料を注入」(トランプ大統領)したメリットを建設機械の需要拡大としてフルに享受する可能性がある。
同社の米国向け売上高比率は、47%に達し、同国でのミニショベルのシェアは第4位となっているが、昨年5月に排ガス規制対応の15トンクラスの油圧ショベルを販売したほか、今年1月からクローラーローダーの最軽量の新機種を発売、超小型機のラインアップを拡充し、さらにシェア・アップを図るためだ。
業績もすでに今年1月の第2四半期決算発表時に今2018年2月期業績を上方修正し、配当も32円(前期実績26円)に大幅増配するなど好調に推移している。その今2月期通期業績は、第3四半期以降の想定レートを1ドル=110円、1ユーロ=128円などとして売り上げ900億円(前期比8.4%増)、営業利益126億5000万円(同5.6%減)、経常利益127億円(同8.3%増)、純利益88億円(同13.4%増)と見込んでいる。
足元の為替レートは、同社の想定レートより円安で推移しており、為替感応度は、1ドル1円の円安・円高で4500万円、1ユール1円の円安・円高で200万円のそれぞれ利益の増減となるだけに、今年1月11日に予定している今期第3四半期(2017年3月~11月期)決算発表時に業績再上ぶれ期待も高まってくる。
PERは14倍台となお割安
株価は、今期業績の上方修正・増配で2498円高値まで買い進まれ、いったん調整したあと米国市場への新機種投入やトランプ減税のメリット関連株人気で2611円まで買い直され、年初来高値2675円に肉薄した。PERは14倍台となお割安であり、年初来高値を通過点に2015年8月末割り当てで実施した株式分割(1株を3株に分割)の権利落ち後高値2749円を上抜き、権利落ち埋めに弾みをつけよう。(本紙編集長・浅妻昭治)