花粉症シーズン到来で再注目
冬本番である。「冬来たりなば春遠からじ」と「春よ、早く来い」と希うのが人情というものである。しかしその春を恐れおののく人たちがいる。花粉症患者である。もう梅の咲くことから目がしょぼつき、鼻はむずむずして洗濯物は部屋干し、5月の連休明けごろまでマスクとゴーグルが離せなくなる苦しさが繰り返されるからだ。花粉症は、国民の4人に1人が罹患する国民病といわれ、そのうち約70%がスギ花粉症で、近年は発症年齢が低年齢化しているとも指摘されている。
鳥居薬品<4551>(東1)は、昨年9月27日にこのスギ花粉症のアレルゲン免疫療法薬「シダキュア スギ花粉舌下錠」の国内製造販売承認を取得し、日本で初めて成人でも小児でも使用でき、室温保存と服薬のしやすさも特徴としている。昨年11月には薬価収載と発売を見送ったが、いよいよ花粉症シーズン到来とともに、再注目を集める見込みである。
目下集計中の前2017年12月期業績は、昨年10月に小幅下方修正されたが、それでも売り上げ631億円(前期比4.8%増)、営業利益50億円(同30.9%増)、経常利益51億円(同27.5%増)、純利益38億円(同33.8%増)と見込んで2ケタの増益転換をキープし、年間配当48円を安定継続する。
年初来高値奪回に再発進
株価は、「シダキュア スギ花粉舌下錠」の製造販売承認で窓を開けて年初来高値3455円まで急伸、以来、日柄で3カ月調整、窓埋めをしてきた。投資採算的にはPERは、21倍と市場平均を上回るものの、PBR評価では0.9倍と割り負けており、シーズン・ストック株人気を再燃させ、年初来高値奪回に再発進しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)