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パシフィックネットはLCMサービス強化してストック型へ収益構造転換推進
- 2017/12/29 10:03
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
パシフィックネット<3021>(東2)は、法人向けにIT機器の調達・導入、ネットワーク構築、運用・保守、データ消去、引取回収をワンストップで提供するLCM(ライフサイクルマネジメント)サービスを強化し、フロー型からストック型への収益構造転換を推進している。株価はモミ合い上放れの動きを強めている。
■IT機器のLCMサービスを強化
法人向けにPC・タブレット・モバイル等のIT機器の調達・導入、キッティング(事前設定)、ネットワーク構築、運用・保守、使用済みIT機器の引取・回収、データ消去・消去証明書発行、リユース・リサイクルを行うLCM(ライフサイクルマネジメント)サービスを強化している。
使用済みIT機器の引取・回収、データ消去、再生、リユース販売中心の「フロー型」から、新品IT機器の長期レンタル型の調達・導入、キッティング、運用・保守を中心とした「ストック型」への収益構造転換を推進している。
15年10月2B(トゥー ビー)を設立してBtoB専門総合通信サービス事業に進出した。17年6月M&Aアドバイザリ・仲介サービス事業を行う子会社エムエーピー(MAP)を設立した。17年12月には、ガイド用無線レシーバーを中心としたレンタル・販売・保守サービスを展開するケンネットを子会社化した。
なお17年11月には取締役会において、店舗部門の縮小と法人向けLCM事業のさらなる強化の方針を決議している。店舗部門縮小については、市場動向把握のための一部店舗を残して順次閉店する。
■18年5月期1Q黒字化
18年5月期第1四半期連結業績は、売上高が前年同期比3.0%減の11億12百万円、営業利益が8百万円の黒字(前年同期は45百万円の赤字)、経常利益が7百万円の黒字(同41百万円の赤字)、そして純利益が2百万円の黒字(同30百万円の赤字)だった。売上総利益率改善や販管費削減の効果で黒字化した。
LCM事業は売上高が5.8%増の4億05百万円で、営業利益が35.3%減の48百万円だった。積極的な営業展開で増収だが投資負担で減益だった。リユース事業は売上高が8.8%減の6億96百万円で、営業利益が49百万円の黒字(同15百万円の赤字)だった。使用済みパソコン入荷台数が減少して売上は低調だが、店舗統廃合、業務効率化、企業からの使用済みモバイル機器回収強化などで黒字化した。その他事業は売上高が11百万円で、営業利益が3百万円だった。M&Aアドバイザリ事業で計2組の案件が成約した。
■株価はモミ合い上放れの動き
株価は500円近辺でのモミ合いから上放れの動きを強めている。12月18日には590円まで上伸する場面があった。12月28日の終値は541円、時価総額は約30億円である。週足チャートで見ると13種移動平均線が26週移動平均線を上抜いて先高感を強めている。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)