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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】トーソーは昨年来高値更新、16年3月期の収益改善期待で13年5月高値試す
- 2015/3/5 07:12
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
カーテンレールやブラインド類のトーソー<5956>(東2)の株価は、2月26日に535円まで上伸して昨年来高値を更新した。今期(15年3月期)の減収営業減益見通しは織り込み済みであり、来期(16年3月期)の収益改善期待で13年5月高値549円を試す展開だろう。0.5倍近辺の低PBRも評価材料だ。
カーテンレールやブラインド類の室内装飾関連事業を主力として、ステッキなど介護用品事業も展開している。中期戦略では「窓辺の総合インテリアメーカー」として、国内市場向け新商品開発のスピードアップ、非住宅分野の大型案件獲得、海外での大型案件獲得、原価低減や総費用低減、新規領域としての介護用品事業の拡大などを掲げている。
今期(15年3月期)の連結業績見通しについては、前回予想(10月31日に減額修正)を据え置いて売上高が前期比4.7%減の228億円、営業利益が同38.0%減の6億40百万円、経常利益が同38.6%減の6億20百万円、純利益が同30.5%増の2億60百万円、そして配当予想(5月8日公表)は前期と同額の年間10円(第2四半期末5円、期末5円)としている。
第3四半期累計(4月~12月)は、住宅関連市場における消費増税前駆け込み需要反動減の影響が長期化して前年同期比5.0%減収、同37.7%営業減益、同38.6%経常減益、同42.7%最終減益だった。純利益は東京都家具厚生年金基金の特例解散決議に伴う特別損失1億89百万円計上も影響した。
通期ベースでも消費増税の影響が長期化して減収、営業減益見通しだ。ただし四半期別にみると、売上高は第1四半期(4月~6月)53億10百万円、第2四半期(7月~9月)55億38百万円、第3四半期(10月~12月)53億38百万円、営業利益は第1四半期9百万円、第2四半期2億25百万円、第3四半期1億04百万円となる。消費増税の影響は概ね一巡しているようだ。
そして製造コストや配送コストの上昇に対応して、インテリアブラインドおよび関連製品について、12月15日受注分から製品価格改定(値上げ)を実施しているため、第4四半期(1月~3月)以降の採算改善が期待される。来期(16年3月期)は、消費増税の影響一巡、営業強化、高付加価値製品の拡販、値上げ浸透などの効果で収益改善が期待されるだろう。
株主優待は毎年3月31日現在の株主に対して実施し、1単元(100株)以上所有株主に対して1000円相当の優待品、10単元(1000株)以上所有株主に対して3000円相当の優待品を贈呈する。また環境保全活動の一環としてインドネシア共和国における「植林活動への寄付」も設けている。
なお2月27日には、新たに貸借銘柄に選定されたと発表した。3月6日から貸借銘柄となる。
株価の動きを見ると、2月26日に535円まで上伸して昨年来高値を更新した。その後も高値圏で堅調に推移している。第3四半期累計業績に対するネガティブ反応は限定的であり、今期の減収営業減益見通しは織り込み済みのようだ。
3月4日の終値527円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS24円92銭で算出)は21~22倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は1.9%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS975円99銭で算出)は0.5倍近辺である。
週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって水準を切り上げ、530円近辺のフシ突破の動きを強めている。0.5倍近辺の低PBRも評価材料であり、来期の収益改善期待で13年5月高値549円を試す展開だろう。