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サンコーテクノは17年10月高値に接近、18年3月期増収増益・3期連続増配予想
- 2018/1/5 08:15
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
サンコーテクノ<3435>(東2)は建設用あと施工アンカーの最大手で、センサー関連商材の測定器も展開している。18年3月期は需要回復基調で増収増益・3期連続増配予想である。中期的にも事業環境は良好だろう。株価は自律調整一巡して17年10月の昨年来高値に接近している。上値を試す展開が期待される。
■ファスニング事業と機能材事業を展開
ファスニング事業(あと施工アンカーやドリルビットの開発・製造・販売、太陽光関連・土木建築関連の工事管理など)と、機能材事業(電動油圧工具関連、FRPシート関連、車両の表示板などの電子プリント基板関連、各種測定器関連の製造・販売など)を展開している。
ファスニング事業では、あと施工アンカー(コンクリート用特殊ネジ・釘類)やドリルビットの開発・製造・販売、太陽光関連・土木建築関連の工事管理などを展開している。あと施工アンカーの最大手である。
17年3月期のセグメント別売上高構成比はファスニング事業が77%、機能材事業が23%だった。売上高に対する新製品比率は14年3月期16.0%、15年3月期17.0%、16年3月期18.2%、17年3月期19.4%と上昇基調である。収益面では建設関連のため、期後半の構成比が高い特性がある。
新中期経営ビジョンでは、経営目標数値に売上高成長率5.0%以上、営業利益率8.0%以上、新製品売上高構成比30%、ROA8.0%以上を掲げている。
建設現場では現場作業の省力化・機械化ニーズの高まりや非熟練作業者の増加が予想され、現場での使いやすさを高めた施工ツール、あと基礎アンカー、アンカー打込機、紫外線硬化FRPシートといった製品の需要増が期待される。20年東京五輪、都市再開発、国土強靭化政策などで中期的に事業環境は良好である。
■18年3月期増収増益・3期連続増配予想
今期(18年3月期)の連結業績予想(5月12日公表)は売上高が前期(17年3月期)比5.2%増の163億円、営業利益が6.7%増の12億円、経常利益が6.3%増の11億90百万円、純利益が1.1%増の8億円としている。需要が回復基調であり、営業強化などの施策で増収増益予想である。配当予想は2円増配の年間22円(期末一括)としている。連続増配で予想配当性向は22.4%となる。
第2四半期累計は、売上高が前年同期比3.7%増の75億34百万円、営業利益が1.2%減の4億21百万円、経常利益が5.8%増の4億24百万円、純利益が4.7%増の2億64百万円だった。営業微減益だが概ね計画水準だった。売上総利益率は31.3%で1.0ポイント低下、販管費比率は25.7%で0.7ポイント低下した。営業外では為替差益を計上した。
ファスニング事業は売上高が5.3%増の57億60百万円で営業利益が6.2%増の6億82百万円だった。金属系あと施工アンカーが堅調に推移し、耐震工事減少で低迷していた接着系あと施工アンカーの需要も底入れした。停滞していた太陽光関連工事も進捗した。機能材事業は売上高が1.4%減の17億73百万円で営業利益が5.2%減の2億13百万円だった。アルコール測定器、電子基板関連が好調だったが、国内の電動油圧工具関連が低調だった。
通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が46.2%、営業利益が35.1%、経常利益が35.6%、純利益が33.0%である。低水準の形だが、建設関連で期後半の構成比が高い特性があるためネガティブ要因とはならない。通期ベースで好業績が期待される。
■株主優待制度は毎年3月末に実施
株主優待制度は毎年3月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して、QUOカード500円分を贈呈している。
■株価は17年10月の昨年来高値に接近
株価は直近安値圏1100円近辺から徐々に水準を切り上げ、17年10月の昨年来高値1355円に接近している。自律調整が一巡したようだ。
1月4日の終値1305円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS98円30銭で算出)は13~14倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間22円で算出)は1.7%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1302円42銭で算出)は1.0倍近辺である。時価総額は約114億円である。
週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインだ。上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)