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松田産業は昨年来高値更新、18年3月期大幅増収増益予想で再増額の可能性
- 2018/1/15 06:32
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
松田産業<7456>(東1)は貴金属関連事業および農林水産品販売事業を展開している。18年3月期大幅増収増益予想である。数量・市況回復で通期予想は再増額の可能性がありそうだ。株価は中段保ち合いから上放れて昨年来高値を更新した。そして08年来の高値圏だ。好業績を評価して上値を試す展開が期待される。
■貴金属リサイクルや農林水産品販売を展開
貴金属リサイクル(貴金属事業)や産業廃棄物処理(環境事業)などの貴金属関連事業、および農林水産品を扱う食品関連事業を展開している。17年3月期の売上高構成比は貴金属関連事業63%、食品関連事業37%、営業利益構成比は貴金属関連事業63%、食品関連事業37%だった。収益面では、半導体・電子部品などエレクトロニクス業界の生産動向、貴金属および食品市況の影響を受けやすい特性がある。
貴金属リサイクルは、半導体・電子材料部材・化成品などの貴金属製品をエレクトロニクス業界へ販売するとともに、半導体や電子部品を製造する過程で規格外となった部品(スペックアウト品)などの貴金属含有スクラップを国内外のメーカーから回収・処理・製錬することで、貴金属(金・プラチナ・パラジウムなど)をリサイクルする。
産業廃棄物処理は、写真の感光材料からの銀の回収、廃酸や廃アルカリの無害化中間処理など、産業廃棄物の回収・処理を行っている。無害化処理技術に強みを持ち、全国47都道府県での収集運搬業許可を得ている。
中期経営計画(16~18年度)の目標値は19年3月期売上高2000億円、連結営業利益40億円としている。
■18年3月期大幅増収増益予想、数量・市況回復で再増額の可能性
今期(18年3月期)の連結業績予想(11月9日に増額修正)は、売上高が前期(17年3月期)比16.5%増の1900億円、営業利益が35.1%増の40億円、経常利益が27.2%増の44億円、純利益が21.4%増の29億80百万円としている。配当予想は据え置いて前期と同額の年間28円(第2四半期末14円、期末14円)としている。予想配当性向は24.7%となる。
第2四半期累計は、売上高が前年同期比19.3%増の942億82百万円、営業利益が77.0%増の22億03百万円、経常利益が69.7%増の24億22百万円、純利益が69.4%増の16億41百万円だった。貴金属関連事業、食品関連事業とも好調に推移して計画超の大幅増収増益だった。
貴金属関連事業は19.4%増収、74.6%増益だった。貴金属リサイクルおよび産業廃棄物処理の取り扱い数量が増加し、白金を除く貴金属販売価格の上昇も寄与した。食品関連事業は19.2%増収、81.2%増益だった。水産品、畜産品の販売数量が増加した。
通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が49.6%、営業利益が55.1%、経常利益が55.0%、純利益が55.1%である。数量・市況回復で通期予想は再増額の可能性がありそうだ。
■株主優待制度は毎年3月末に実施、対象は継続1年以上保有株主
株主優待制度は毎年3月31日現在、1単元(100株)以上を継続1年以上保有する国内在住株主を対象として株主優待品を贈呈する。17年3月期末から対象を変更した。
■株価は昨年来高値更新して08年来高値圏
株価は1月11日に昨年来高値2116円まで上伸した。1800円~1900円近辺での中段保ち合いから上放れた形だ。そして08年来の高値圏だ。
1月12日の終値2064円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS113円16銭で算出)は18~19倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間28円で算出)は1.4%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2027円45銭で算出)は1.0倍近辺である。時価総額は約597億円である。
週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインだ。好業績を評価して上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)