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京写は自律調整一巡して昨年来高値に接近、18年3月期大幅営業増益予想
- 2018/1/15 06:30
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
京写<6837>(JQ)はプリント配線板の大手メーカーである。LED照明関連市場が拡大基調であり、新規取引先からの受注も増加して18年3月期大幅営業増益予想である。株価は自律調整一巡して17年10月の昨年来高値に接近している。上値を試す展開が期待される。なお1月31日に第3四半期決算の発表を予定している。
■プリント配線板の大手メーカー、LED照明関連市場が拡大
プリント配線板の大手メーカーである。世界最大の生産能力を誇る片面プリント配線板、および両面プリント配線板を柱として、実装治具関連事業も展開している。プリント配線板は防塵対策基板、高熱伝導・放熱基板、ファイン回路片面基板などに技術的な強みを持ち、生産は国内、中国、インドネシアに拠点展開している。
17年3月期の製品別売上高構成比は片面板41%、両面板45%、その他(実装治具関連)13%、製品用途別売上高構成比は自動車関連36%、家電製品23%、事務器11%、映像関連9%、アミューズメント関連3%、その他18%だった。
幅広い用途と顧客層(国内1000口座、海外300口座)を獲得し、LED照明関連市場の拡大も背景として、製品サイクルの長い自動車関連や家電関連を強化している。収益面では自動車や家電などの生産動向の影響を受けやすいが、LED照明関連市場の拡大が追い風である。新製品では車載ヘッドランプ向けの開発が完了し、受注が相次いで決定しているようだ。
中期経営計画では、目標数値に21年3月期売上高280億円(片面配線板105億円、両面配線板145億円、治具20億円、実装10億円)、営業利益17億円(営業利益率6.0%)を掲げている。株主還元は配当性向20%を目標とする。新規事業の創出と育成も目指し、素材メーカーと連携して印刷技術と新素材による「プリンタブル基板」の開発を推進している。
■18年3月期大幅営業増益予想
今期(18年3月期)連結業績予想(4月28日公表)は売上高が前期(17年3月期)比8.3%増の210億円、営業利益が21.3%増の8億50百万円、経常利益が13.0%増の8億円、純利益が0.9%減の5億50百万円としている。配当予想は前期と同額の年間8円(期末一括)で予想配当性向は20.8%となる。
非日系顧客向けの拡販、生産体制の効率化、新製品の開発、品質の向上などの施策を積極推進する。売上面では自動車関連や家電製品関連が好調に推移し、片面配線板の需要回復に伴う内製稼働率の上昇、海外工場における合理化効果なども寄与して大幅営業増益予想である。
第2四半期累計は売上高が前年同期比10.3%増の103億07百万円、営業利益が37.3%増の3億24百万円、経常利益が39.9%増の3億42百万円、純利益が23.9%増の2億32百万円だった。
国内はプリント配線板事業で自動車関連や家電製品関連、実装関連事業でスマートグリッド関連や自動車関連が好調だった。海外は中国やインドネシアでLED照明などの家電製品関連が好調だった。銅箔価格高騰で主材料の銅張積層板価格が上昇したが、稼働率上昇や合理化などが寄与して大幅増益だった。売上総利益率は18.3%で0.3ポイント上昇、販管費比率は15.2%で0.3ポイント低下した。営業外では為替差益が増加した。
通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が49.1%、営業利益が38.1%、経常利益が42.8%、純利益が42.2%である。やや低水準の形だが、稼働率が上昇する第3四半期の利益構成比が高くなる収益特性や、期初時点で下期偏重の計画であることを考慮すれば通期ベースでも好業績が期待される。
■株価は自律調整一巡して昨年来高値に接近
株価は直近安値圏550円近辺から切り返し、1月10日には654円まで上伸した。自律調整一巡して戻り歩調だ。そして17年10月の昨年来高値692円に接近している。
1月12日の終値642円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS38円38銭で算出)は16~17倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は1.2%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS446円91銭で算出)は1.4倍近辺である。時価総額は約94億円である。
週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインだ。上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)