【編集長の視点】第一精工は反落も業績続伸観測を手掛かりに今年2月10日の決算発表を先取りして待ち伏せ買い妙味

 第一精工<6640>(東1)は、前週末12日に140円安の3085円と反落して引けた。同社株は、新年相場入りとともに300円超高と急伸し、昨年11月22日につけた昨年来高値3300円に肉薄しており、全般相場が、円高・ドル安進行を嫌って3日続落したことが波及して目先の利益を確定する売り物が出た。ただ、目下集計中の前2017年12月期業績を今年2月10日に発表予定の同社株の下値には、昨年8月に次ぐ再上ぶれ着地や次期2018年12月期業績の続伸を期待した待ち伏せ買いが依然として続いた。今年1月17日から開催される「国際カーエレクトロニクス技術展」や「ウエアラブルEXPO」に最先端の車載用コネクタや匂いセンサーなどを出展することも、テーマ株人気の再燃につながると観測されている。

■車載用センサの次期モデルやロボット向けトルクセンサなどの新製品が寄与

 同社の前2017年12月期業績は、昨年8月に上方修正され、売り上げ510億円(前期比11.3%増)、営業利益25億円(同6.2倍)、経常利益24億円(同3.0倍)、純利益16億円(同10.1倍)とV字回復が予想された。この12月期予想業績に対して、昨年11月に開示された前期第3四半期(2017年1月~9月期、3Q)売り上げは前年同期比13.0%増と増収転換し、このうち自動車電装・関連部品セグメントの売り上げが過去最高を更新し、半導体設備・その他セグメントは半導体樹脂封止装置の大幅増で前年同期比77.5%増となるなど一段と稼働率が向上、この効果で営業利益は17億3700万円(前年同期は1億1700万円の赤字)、経常利益が16億2200万円(同9億7500万円の赤字)、純利益が9億7300万円(同12億6000万円の赤字)とマイナスから大きくプラス転換した。この間、設備製作能力や生産能力のアップも並行して進めており、2017年12月期業績の上ぶれ着地期待を高めている。

 続く2018年12月期業績も、車載用センサの次期モデル受注が決定し量産立ち上げの準備を進め、トルクセンサが安川電機<6506>(東1)のロボットに採用され、半導体封止装置でも新コンセプト封止装置を拡販することなどから続伸が有力で、2月10日の決算発表時の次期業績のガイダンスが注目されている。大手経済紙が取りまとめた証券アナリストの業績予想では、次期営業利益を前期比32.6%増益の35億円とし、12月期決算会社の予想増益ランキングのトップ10入りと報じている。

■25日線を下値岩盤に次の上値フシの3500円台奪回に6年6カ月ぶりにチャレンジ

 株価は、昨年11月開示の前期3Q業績のV字回復や期末配当の増配を好感して昨年来高値3300円まで300円超高し、その後の25日移動線出没から期末配当の権利落ちで2877円まで下ぶれたが、年明け後は下げ過ぎ訂正でリバウンド、25日移動平均線を下値岩盤に上放れ様相を濃厚にしてきた。昨年来高値を上抜き、次の上値フシとなる2011年7月につけた3535円に向け6年6カ月ぶりにチャレンジしようよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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