朝日ラバーは昨年来高値に接近、18年3月期増益予想で再増額余地

 朝日ラバー<5162>(JQ)はシリコーンゴムや分子接着技術をコア技術として、自動車内装LED照明光源カラーキャップ、医療・衛生用ゴム製品、RFIDタグ用ゴム製品などを展開している。18年3月期は増収増益予想だ。さらに再増額余地がありそうだ。株価は17年11月の昨年来高値に接近している。上値を試す展開が期待される。なお2月7日に第3四半期決算発表を予定している。

■自動車内装LED照明の光源カラーキャップが主力

 シリコーンゴムや分子接着技術をコア技術として、自動車内装照明関連の工業用ゴム製品、卓球ラケット用ラバー、医療・衛生用ゴム製品、機能製品のRFIDタグ用ゴム製品などを展開している。17年3月期のセグメント別売上構成比は工業用ゴム事業82%、医療・衛生用ゴム事業19%だった。

 自動車内装照明関連は、車載用小型電球の光源カラーキャップ「ASA COLOR LAMPCAP」や、車載用LED照明の光源カラーキャップ「ASA COLOR LED」が主力製品である。車載用「ASA COLOR LED」は高級車向けに加えて、小型車や軽自動車向けにも採用が拡大している。

 第12次三カ年中期経営計画「V-2計画」では経営目標値に20年3月期売上高70~80億円、営業利益率8%以上を掲げている。技術開発では、RFIDタグ用ゴム製品で培った技術を活用した簡易睡眠ポリグラフ検査用着衣型ウェアラブルシステム、風車用プラズマ気流制御用電極、視認性に優れ疲労低減特性のある自動車内装照明用LEDなどの開発を推進している。

■18年3月期増収増益予想、さらに再増額余地

 今期(18年3月期)の連結業績予想(11月8日に増額修正)は、売上高が前期(17年3月期)比12.4%増の73億21百万円、営業利益が13.3%増の5億39百万円、経常利益が8.7%増の5億33百万円、純利益が9.0%増の3億72百万円としている。

 自動車関連「ASA COLOR LED」などが好調に推移し、研究開発の強化や基幹システムの入れ替えなど事業基盤強化に向けた費用の増加を、増収効果や生産性向上効果で吸収する。配当予想は前期と同額の年間16円(第2四半期末6円、期末10円)としている。予想配当性向は19.4%となる。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比17.0%増の36億08百万円、営業利益が38.3%増の2億69百万円、経常利益が46.2%増の2億82百万円、純利益が24.2%増の1億83百万円だった。計画超の大幅増収増益だった。

 工業用ゴム事業における自動車関連の「ASA COLOR LED」の受注が中国向け中心に好調に推移し、スポーツ用ゴム製品の卓球ラケット用ラバーの受注も増加した。増収効果や生産性向上効果で大幅増益だった。売上総利益率は25.8%で1.0ポイント低下したが、販管費比率は18.3%で2.2ポイント低下した。

 セグメント別に見ると、工業用ゴム事業は売上高が20.6%増の30億16百万円で営業利益が52.6%増の3億22百万円、医療・衛生用ゴム事業が1.8%増の5億92百万円で営業利益が19.6%減の97百万円だった。

 なお中期成長事業分野別の売上高は、車載・照明が15.7%増の15億37百万円、医療・ライフサイエンスが2.4%増の6億02百万円、その他が25.9%増の14億67百万円だった。その他ではRFIDタグ用ゴム製品と自動車向けゴム製品が好調だった。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が49.3%、営業利益が49.9%、経常利益が52.9%、純利益が49.2%である。自動車関連の需要が高水準であり、通期会社予想に再増額余地がありそうだ。

■株価は昨年来高値に接近

 株価は直近安値圏1100円近辺から下値を切り上げて1300円台を回復した。そして17年11月の昨年来高値1480円に接近している。

 1月15日の終値1326円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS82円56銭で算出)は16倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は1.2%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS880円48銭で算出)は1.5倍近辺である。時価総額は約61億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインだ。好業績を評価して上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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