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第一実業は戻り歩調、18年3月期減益予想だが設備投資需要高水準で上振れ余地
- 2018/1/19 07:32
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
第一実業<8059>(東1)は産業機械を主力とする機械の総合商社で、海外展開や新規分野を強化している。18年3月期減益予想だが、設備投資需要が高水準であり、上振れ余地があるだろう。株価は11月の戻り高値圏から反落したが、調整一巡して戻り歩調だ。なお2月5日に第3四半期決算発表を予定している。
■産業機械を主力とする機械の総合商社
各種産業機械を主力とする機械の総合商社である。17年3月期のセグメント別売上高構成比はプラント・エネルギー事業31%、産業機械事業29%、エレクトロニクス事業31%、ファーマ事業6%、航空事業2%、その他0%で、海外売上比率は49%だった。
新規ビジネスとして、バイナリー発電装置、植物工場システム、メガソーラー、車載向け二次電池製造装置分野、有機ELディスプレイ製造装置分野などを強化している。
中期経営計画「DASH2018」では、基本方針を「グローバルに事業軸体制を進め、一層の業績拡大を実現する」「経営体質の向上を図り、強力なガバナンス体制を構築する」として、経営目標数値には最終年度19年3月期の売上高1330億円、営業利益50億円、経常利益53億円、純利益33億円を掲げている。
収益面では案件ごとの採算性の影響を受けることに加えて、大型案件の売上計上時期によって四半期収益が変動しやすい。そして設備投資関連のため第2四半期および第4四半期の構成比が高い特性がある。
■18年3月期減益予想だが上振れ余地
今期(18年3月期)の連結業績予想(9月26日に営業利益と経常利益を各1億円増額修正)は、売上高が前期(17年3月期)比14.8%増の1770億円、営業利益が17.9%減の48億円、経常利益が17.3%減の51億円、そして純利益が7.2%減の31億円としている。
第2四半期累計は、売上高が前年同期比2.7%増の782億58百万円、営業利益が7.6%減の27億48百万円、経常利益が7.8%減の29億04百万円、純利益が5.6%減の17億19百万円だった。販管費の増加で減益だが、産業機械事業やエレクトロニクス事業が好調に推移し、計画に対して減益幅が縮小した。なお受注高は35.5%増の877億78百万円、受注残高は3.3%増の1015億51百万円となった。
プラント・エネルギー事業は大口案件が少なく13.6%減収、62.7%減益だった。受注高は13.4%減少した。産業機械事業は自動車関連業界向けが増加して33.1%増収、2.1倍増益だった。受注高は39.8%増加した。エレクトロニクス事業は電子部品製造関連設備が好調で3.2%増収、14.2%増益だった。受注高は74.6%増加した。
ファーマ事業は錠剤外観検査装置やパッケージング用機器が減少して27.5%減収、43.6%減益だった。受注高は0.7%増加した。航空事業は航空機地上支援機材や空港施設関連機器が減少して36.7%減収だが、利益は10.3%増益だった。受注高は2.0倍増となった。
通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が44.2%、営業利益が57.3%、経常利益が56.9%、純利益が55.5%である。大型案件の有無や案件ごとの採算で変動するが、設備投資需要が高水準であり、通期予想に上振れ余地があるだろう。
配当予想は第2四半期末9円、期末45円としている。17年10月1日付株式併合を考慮して換算すると、前期は年間95円、今期は年間90円となり、実質的に5円減配となる。
■株価は調整一巡して戻り歩調
株価(17年10月1日付で単元株式数を1000株から100株に変更、5株を1株に併合)は、調整一巡して戻り歩調だ。17年11月の戻り高値3710円から反落したが、直近安値圏の3200円台から切り返し、1月18日には3570円まで上伸した。
1月18日の終値3550円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS291円15銭で算出)は12~13倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間90円で算出)は2.5%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3633円05銭で算出)は1.0倍近辺である。時価総額は約394億円である。
週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形となった。戻りを試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)