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フライトホールディングスは基調転換の動き、電子決済ソリューションが牽引して中期収益拡大期待
- 2018/1/26 07:44
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
フライトホールディングス<3753>(東2)は、電子決済ソリューションなどのサービス事業を主力としている。18年3月期は大型案件の反動で減収減益予想だが、中期的には電子決済ソリューションが牽引して収益拡大が期待される。株価は調整一巡して基調転換の動きを強めている。なお2月8日に第3四半期決算発表を予定している。
■システム開発や電子決済ソリューションなどを展開
傘下のフライトシステムコンサルティングがシステム開発・保守などのコンサルティング&ソリューション(C&S)事業、および電子決済ソリューションなどのサービス事業、イーシー・ライダーがB2B向けECサイト構築パッケージなどのECソリューション事業を展開している。
17年3月期のセグメント別売上高構成比は、C&S事業が23%、サービス事業が74%、ECソリューション事業が3%だった。収益面ではサービス事業における大型案件によって変動する特性が強い。
■C&S事業はPepper関連を強化
C&S事業では、ソフトバンクロボティクスの人型ロボットPepperの法人モデル「Pepper for Biz」に関して、17年2月新サービスとしてコンテンツマネージメントソリューション「Scenaria」をジエナ社と共同開発した。そしてロボアプリ開発者を支援する「Pepperパートナープログラム」において「ロボパートナー」認定を取得している。またソフトバンクと日本IBMが共同で行う「IBM Watson エコシステムプログラム」に参画し、ビジネスおよびテクノロジーパートナーに選定されている。
17年11月にはAIとロボットを医療で活用するため、東京慈恵医科大学先端医療情報技術研究講座およびジェナ社と、医療機関で「Pepper」を使ったコミュニケーションシステムに関する共同研究を行うと発表した。
■電子決済ソリューションはマルチ決済端末など展開
電子決済ソリューション事業では、スマートデバイス決済専用マルチ電子決済端末「incredist」と、スマートデバイス決済専用アプリ「ペイメント・マイスター」を展開し、電子決済事業に関して複数暗号鍵の切り替えに関する特許、無線を使った複数機器の設定に関する特許、複数加盟店の切り替えに関する特許を取得している。
スマートデバイス決済専用アプリ「ペイメント・マイスター」は、iPhoneやiPadをクレジットカード決済端末に利用する大企業向け国内初のBtoB決済ソリューションである。10年9月に提供開始し、高級ホテル・レストラン・観光タクシー・旅行代理店など幅広い業種に導入されている。
16年3月には、スマートデバイス決済専用マルチ電子決済端末の新製品「incredist premium」の販売を開始した。磁気クレジットカード、接触型ICクレジットカード(EMV)、非接触型ICクレジットカード(コンタクトレスEMV)、および日本独自の電子マネーに対応した決済端末である。
16年12月にはMastercard、VISA、AmericanExpressのコンタクトレスEMV(ICカード国際規格EMV技術を用いた非接触IC決済対応のクレジットカード)に関するブランド認定を取得、17年5月にはJCBのコンタクトレスEMVのブランド認定を取得、17年6月にはDiscoverのコンタクトレスEMVのブランド認定を取得、中国銀聯のコンタクトレスEMVのブランド認定を取得した。
■18年3月期は大型案件の反動で減収減益予想
今期(18年3月期)連結業績予想(5月15日公表)は売上高が前期(17年3月期)比20.7%減の25億円、営業利益が56.0%減の2億60百万円、経常利益が56.2%減の2億50百万円、純利益が50.9%減の2億円としている。配当は無配継続としている。
第2四半期累計は売上高が前年同期比1.4%増の10億52百万円、営業利益が48.5%減の63百万円、経常利益が33.3%減の73百万円、そして純利益が40.9%減の57百万円だった。利益は計画超だった。モバイル決済ソリューションに係る開発費が想定を下回った。
通期は前期計上の大型案件の反動で減収減益予想である。サービス事業は第1四半期に既存大口顧客向け「incredist」追加納品を計上し、第2四半期累計でも大幅増収増益だったが、通期ベースでは顧客の導入スケジュールが流動的としている。ただし中期的には電子決済ソリューションが牽引して収益拡大が期待される。
■株価は基調転換の動き
株価は水準を切り下げたが、12月25日と26日の昨年来安値643円から切り返して基調転換の動きを強めている。1月17日には850円まで上伸した。
1月25日の終値788円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS21円15銭で算出)は37倍近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS75円94銭で算出)は10.4倍近辺である。時価総額は約75億円である。
週足チャートで見ると13週移動平均線を突破した。さらに26種移動平均線突破の動きを強めている。基調転換して出直りが期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)