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エスプールは06年高値に接近、18年11月期2桁増収増益・増配予想、3月1日付で株式5分割
- 2018/2/6 07:19
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
エスプール<2471>(JQ)は、ロジスティクスアウトソーシング、障がい者雇用支援・就労移行支援サービス、コールセンター業務などの人材サービス事業を展開している。18年11月期2桁増収増益・増配予想である。株価は急伸して06年の上場来高値に接近した。目先的な過熱感を冷ますための自律調整を交えながら上値を試す展開が期待される。なお3月1日付で株式5分割を実施する。
■ロジスティクス、障がい者雇用支援、コールセンターなど人材サービス事業
ビジネスソリューション事業(ロジスティクスアウトソーシング、障がい者雇用支援サービス、フィールドマーケティングサービス、セールスサポートサービス、新規事業など)、および人材ソリューション事業(コールセンター向け派遣、販売・営業スタッフ派遣、ストアスタッフ派遣など)を展開している。
17年11月期の売上構成比はビジネスソリューション事業34%、人材ソリューション事業66%だった。障がい者雇用支援サービスは17年11月期末時点で、農園数8農園、顧客企業数136社、管理区画数1337区画、就業数668名となった。新規事業のアルバイト採用代行サービス「Omusubi」も拡大している。
なお営業利益は、障がい者雇用支援サービスの売上が伸びる第2四半期および第4四半期に偏重する特性があるとしている。
17年10月にはアルバイト・パート採用代行業務でツナグ・ソリューションズと業務提携した。17年12月には、中国国内のECプロモーションや越境ECコンサルティングを行う上海潤世企業営銷管理と業務提携した。中国市場の特性に合わせた越境EC支援サービスを開始する。
中期経営計画の目標値は、営業利益率5%の早期達成と20年度までに業界最高水準10%の達成、安定的かつ継続的な配当の実施、ROE最低5%堅持としている。配当の基本方針は連結ベースでの株主資本配当率(DOE)5%を目安としている。アウトソーシング需要は高水準であり、高付加価値サービスが牽引して中期的にも収益拡大基調が期待される。
■17年11月期2桁営業増益予想、18年11月期も収益拡大期待
17年11月期連結業績予想は、売上高が16年11月期比26.6%増の116億96百万円、営業利益が32.8%増の6億74百万円、経常利益が38.4%増の6億87百万円、純利益が3.8%増の4億23百万円だった。配当予想は8円増配の年間18円(期末一括)とした。配当性向は13.2%である。
計画超の大幅増収・営業増益だった。ビジネスソリューション事業、人材ソリューション事業とも2桁成長を持続し、売上高、営業利益とも過去最高を更新した。売上総利益率は28.6%で0.5ポイント低下、販管費比率は22.8%で0.8ポイント低下した。人材ソリューション事業における社会保険対象者適用拡大に伴う社会保険料増加で売上総利益率が低下したが、増収効果で販管費比率は低下した。純利益は法人税等の増加で小幅増益だった。
ビジネスソリューション事業は売上高が16.2%増の39億98百万円で、営業利益が24.7%増の7億28百万円だった。スマートメーター設置業務が契約更新で計画工事数が縮小したが、障がい者雇用支援サービスの参画企画数増加による農園事業管理料収入の増加、ロジスティクスアウトソーシングにおける通販発送代行サービスの好調、セールスプロモーションにおけるアウトソーシング大型案件受託などで大幅増収増益だった。
人材ソリューション事業は売上高が32.4%増の77億22百万円、営業利益が28.6%増の6億80百万円だった。主力のコールセンター業務において、定着率向上を支援するグループ型派遣の需要が好調に推移した。新規登録者の確保も順調だった。社会保険対象者適用拡大に伴う社会保険料増加などを吸収して大幅増収増益だった。
■18年11月期2桁増収増益・増配予想
18年11月期の連結業績予想(1月11日公表)は、売上高が17年11月期比16.2%増の135億87百万円、営業利益が20.7%増の8億14百万円、経常利益が16.7%増の8億02百万円、純利益が10.7%増の4億68百万円としている。需要が高水準に推移して2桁増収増益予想である。
ビジネスソリューション事業は売上高が9.1%増の43億64百万円、営業利益が5.0%増の7億64百万円、人材ソリューション事業は売上高が21.1%増の93億55百万円、営業利益が29.3%増の8億80百万円としている。障がい者雇用支援サービスでは千葉県に2園新設し、全国10園(千葉県9園、愛知県1園)となる。
なお18年2月28日を基準日(効力発生日18年3月1日)として1株を5株に分割する。そして配当予想は年間5円(期末一括)としている。株式5分割を考慮して17年11月期の年間18円を3円60銭に換算すると、実質1円40銭増配となる。予想配当性向は16.8%となる。
■株価は06年高値に接近
株価は3000円近辺でのモミ合いから上放れて、1月23日の5090円まで急伸した。そして06年の上場来高値6160円に接近した。その後は利益確定売りが一旦優勢になったが自律調整の範囲だろう。
2月5日の終値4275円を指標面(1株当たり数値は18年3月1日付株式5分割前)で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS148円60銭で算出)は28~29倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間25円で算出)は0.6%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS462円71銭で算出)は9.2倍近辺である。時価総額は約135億円である。
週足チャートで見ると、13週移動平均線と26週移動平均線が上向いて先高観を強めている。目先的な過熱感を冷ますための自律調整を交えながら上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)