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JFEシステムズは地合い悪化の影響一時的、18年3月期3Q累計大幅営業増益で通期予想に増額余地
- 2018/2/9 07:50
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
JFEシステムズ<4832>(東2)はJFEグループの情報システム会社である。18年3月期はJFEスチール製鉄所システムリフレッシュなどの需要が高水準に推移して、7期連続増収・営業増益予想である。第3四半期累計が大幅営業増益で通期予想に増額余地がありそうだ。株価は地合い悪化で反落したが、影響は一時的だろう。
■JFEグループの情報システム会社
JFEグループの情報システム会社である。鉄鋼向け情報システム構築事業を主力として、ERPと自社開発ソリューションを組み合わせた一般顧客向け複合ソリューション事業、自社開発のプロダクト・ソリューション事業も強化している。
17年3月期事業別売上高は鉄鋼が176億円、一般顧客が143億円、基盤サービスが33億円、子会社(JFEコムサービス)が39億円だった。情報システム関連のため、収益面では年度末にあたる第4四半期の構成比が高い特性がある。
中期経営計画(16年3月期~18年3月期)では高収益事業への構造転換を目指し、目標数値に18年3月期売上高400億円以上、経常利益20億円以上、純利益12億円以上、EPS150円以上を掲げている。利益目標値は17年3月期に前倒し達成した。
重点戦略として、JFEスチール製鉄所業務プロセス改革に向けたシステム刷新の遂行、ERPに自社ソリューションを組み合わせた一般顧客向け複合ソリューション事業の拡大、基盤サービス事業拡大に向けたクラウドサービスの立ち上げ、自動車など製造業顧客基盤の拡大、e-文書(電子帳票)ソリューションなど自社プロダクト拡販などを推進している。
17年10月にはライオン<4912>および東芝デジタルソリューションズとの3社共創で化学物質情報管理システムを開発し、17年11月からライオンの国内すべての研究・開発拠点で運用を開始した。また17年11月には健康経営を積極推進するため「JFEシステムズ健康宣言」を制定した。
■18年3月期3Q累計は大幅営業増益
今期(18年3月期)第3四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比3.5%増の290億24百万円、営業利益が35.4%増の20億15百万円、経常利益が35.8%増の20億30百万円だった。
JFEスチール製鉄所システムリフレッシュや基盤サービスなど需要が高水準に推移し、プロジェクト管理徹底なども寄与した。売上総利益率は20.4%で1.4ポイント上昇、販管費比率は13.5%で0.1ポイント低下した。純利益は本社移転・首都圏オフィス集約に伴う特別損失を計上したため10.3%減の6億69百万円だった。
■18年3月期7期連続増収・営業増益予想で増額余地
今期(18年3月期)連結業績予想(6月13日に18年1月予定の本社移転に伴う特別損失計上で純利益を減額修正)は、売上高が前期(17年3月期)比4.9%増の410億円、営業利益が4.0%増の23億80百万円、経常利益が4.5%増の24億円、純利益が22.5%減の9億80百万円としている。
通期ベースでも純利益は本社移転に伴う特別損失計上という一過性要因で減益予想だが、JFEスチール製鉄所システムリフレッシュ関連が増加し、販管費の増加を吸収して7期連続増収・営業増益予想である。配当予想は前期と同額の年間44円(期末一括)としている。予想配当性向は35.3%となる。
通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は、売上高が70.8%、営業利益が84.7%、経常利益が84.6%、純利益が68.3%と高水準である。第4四半期の構成比が高い収益特性を考慮すれば、通期予想に増額余地がありそうだ。
■株価は地合い悪化で反落したが影響一時的
株価は地合い悪化で高値圏モミ合いから反落したが切り返しの動きを強めている。影響は一時的だろう。
2月8日の終値2330円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS124円80銭で算出)は18~19倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間44円で算出)は1.9%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1550円23銭で算出)は1.5倍近辺である。時価総額は約183億円である。
週足チャートで見ると52週移動平均線近辺で下ヒゲを付けて切り返している。好業績を評価して上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)