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ファンデリーは売られすぎ感、18年3月期3Q累計2桁増益で通期も2桁増益予想
- 2018/2/13 07:10
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ファンデリー<3137>(東マ)は健康食宅配事業を主力として、ヘルスケア総合企業を目指している。18年3月期第3四半期累計は2桁増益だった。健康食宅配会員数が増加基調であり、通期も2桁増益予想である。一人暮らし高齢者や生活習慣病患者の増加を背景として、中期的に収益拡大基調だろう。株価は戻り高値圏から急反落したが売られすぎ感を強めている。目先的な売りが一巡し、好業績を評価して戻りを試す展開が期待される。
■健康食宅配サービスのMFD事業が主力
健康食宅配サービスのMFD(Medical Food Delivery)事業、およびマーケティング事業を展開している。17年3月期事業別売上高構成比はMFD事業91%、マーケティング事業9%だった。
MFD事業は健康食(冷凍弁当)の通販カタログ「ミールタイム」などを医療機関や調剤薬局などを通じて配布し、顧客(個人)から注文を受けて宅配する。従来の食事宅配サービスと一線を画し、食事コントロールを通じた血液検査結果の数値改善を目指している。管理栄養士・栄養士が顧客の疾病・制限数値・嗜好などに合わせてメニューを選び、定期的に届ける「栄養士おまかせ定期便」も提供している。
MFD事業の会員数は、15年3月期末15万2771人、16年3月期末18万2905人、17年3月期末20万3441人と増加基調である。全国の医療機関などの紹介ネットワーク(約1万8000ヶ所)を通じた効率的な顧客獲得、専門性の高い栄養士による「ヘルシー食」など多様な健康食の開発やカウンセリングが強みである。
なお需要拡大に対応してMFD事業の初の生産拠点となる新工場を建設する。18年度内に着工、19年度内に操業予定としている。また健康食通販カタログ「ミールタイム」の発行部数を、現在の各号75万部に対して、19年3月発行の「ミールタイム2019春号」から各号80万部に増刷する。さらなる会員数拡大を目指す。
健康食宅配サービスから派生した事業として、食品メーカーなどへの健康食通販カタログ誌面の広告枠販売、食品メーカーなどからの商品サンプリングや健康食レシピ作成の業務受託、健康食レシピサイト運営などのマーケティング事業も展開し、収益源の多様化を推進している。
MFD事業はおせち料理などで12月の売上高が増加する季節要因があり、マーケティング事業は業務受託売上が下期偏重となる。利益配分については、事業規模や収益が安定成長段階に入ったと判断された時点で、配当による株主への利益還元に努めるとしている。
■18年3月期3Q累計2桁増益
1月31日発表した今期(18年3月期)第2四半期累計の非連結業績は、売上高が前年同期比4.8%増の25億12百万円、営業利益が20.3%増の5億01百万円、経常利益が18.2%増の5億02百万円、純利益が18.4%増の3億17百万円だった。
主力のMFD事業が堅調に推移し、マーケティング事業が大幅伸長した。売上総利益率は58.8%で1.8ポイント上昇、販管費比率は38.8%で0.8ポイント低下した
MFD事業は売上高が0.1%増の22億27百万円で営業利益が3.1%増の5億12百万円だった。期末MFD事業会員数は9.4%増の21万7507人(うち定期コース会員数は10.5%増の7786人)となった。また第3四半期の定期コース比率は3.9ポイント上昇して55.9%、1件あたり購入単価は29円低下して6972円となった。マーケティング事業は売上高が65.3%増の2億85百万円で営業利益が71.2%増の2億15百万円だった。健康食通販カタログの広告枠販売が順調に推移し、業務受託における複数案件獲得も寄与した。
なお17年12月末時点の紹介ネットワーク数は1万9906ヶ所(病院・一般診療所が1万5797ヶ所、薬局が4109ヶ所)となり、18年3月期末目標の2万ヶ所の達成が目前となった。
■18年3月期2桁増益予想
今期(18年3月期)非連結業績予想(4月28日公表)は売上高が前期(17年3月期)比12.8%増の36億40百万円、営業利益が12.1%増の6億81百万円、経常利益が10.3%増の6億80百万円、純利益が10.6%増の4億36百万円としている。紹介ネットワークの新規開拓や深耕などにより、MFD事業、マーケティング事業とも伸長して2桁増益予想である。配当は無配を継続する。
通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が69.0%、営業利益が73.6%、経常利益が73.9%、純利益が72.8%と概ね順調である。下期の構成比が高い収益特性を考慮すれば、通期ベースでも好業績が期待される。
高齢者の増加、特に一人暮らし高齢者の増加、さらに生活習慣病患者や食事制限対象者などの増加を背景として健康食宅配市場は拡大基調が予想される。従来の食事宅配サービスと一線を画した健康食メニュー開発力などを武器として、中期的に収益拡大基調だろう。
■株価は売られすぎ感
株価は戻り高値圏1800円台から急反落した。地合い悪化も影響して2月6日には1415円まで調整した。ただし売られすぎ感を強めている。
2月9日の終値1498円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS68円54銭で算出)は21~22倍近辺、前期実績PBR(前期実績BPS292円10銭で算出)は5.1倍近辺である。時価総額は約95億円である。
日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が10%を超えて売られすぎ感を強めている。また週足チャートで見ると1400円近辺が下値支持線の形だ。目先的な売りが一巡し、好業績を評価して戻りを試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)