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日本エム・ディ・エムは調整一巡感、18年3月期3Q累計増収増益と順調、通期は2桁増益・連続増配予想
- 2018/2/13 07:15
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
日本エム・ディ・エム<7600>(東1)は整形外科分野の医療機器専門商社である。米国子会社ODEV製品の拡販によって自社製品比率が上昇基調である。18年3月期第3四半期累計は増収増益と順調だった。通期は2桁増益・連続増配予想である。株価は調整一巡感を強めている。戻りを試す展開が期待される。
■整形外科分野の医療機器専門商社、自社製品比率上昇して収益力向上
人工関節製品、骨接合材料、脊椎固定器具など整形外科分野を主力とする医療機器専門商社である。メーカー機能強化による高収益体質への転換を目指し、米国子会社オーソデベロップメント(ODEV)社製品の拡販を推進している。自社製品比率が上昇基調であり、収益力が向上している。
17年3月期の自社製品比率は87.5%で16年3月期比2.4ポイント上昇した。17年8月には米ODEV社製骨接合材料「プリマ ヒップ スクリューサイドプレート システム」の薬事承認を取得した。
17年6月には米ODEV社が、中国のChina Pioneer Pharma Holdings(CPP社)と、中国における独占販売提携契約を締結した。18年1月から中国CPP社を通じて、米ODEV社製人工膝関節製品を中国の医療従事者へ提供する。
収益面の特性として、医療機器償還価格の影響や為替変動の影響を受けるほか、整形外科医療機器の販売は下期が繁忙期となる傾向があるため、業績も下期の構成比が高い傾向があるとしている。
■18年3月期3Q累計は増収増益と順調
1月31日発表した今期(18年3月期)第3四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比7.5%増の106億45百万円、営業利益が3.0%増の15億17百万円、経常利益が9.6%増の14億68百万円、純利益が15.1%増の9億73百万円だった。
売上高は日本が4.8%増の68億50百万円、米国が16.7%増の61億70百万円だった。日本は17年1月と4月の償還価格引き下げの影響を受けたが、米ODEV社製品の販売が好調だった。米国は米ドルベースでも8.9%増収と好調だった。自社製品売上比率は89.2%で1.7ポイント上昇した。
また売上総利益率は72.4%で0.2ポイント上昇、販管費比率は58.2%で0.9ポイント上昇した。売上総利益率は製造原価の低減、自社製品売上比率の上昇が寄与した。販管費は人件費の増加、医療工具の貸出品を増やしたことに伴う減価償却費の増加、米国売上増に伴う支払手数料の増加、円安に伴う米国の販管費の円換算額の増加が影響した。営業外では為替差損益が改善した。
■18年3月期2桁増益・連続増配予想
今期(18年3月期)の連結業績予想(4月28日公表)は、売上高が前期(17年3月期)比8.6%増の148億円、営業利益が15.2%増の22億円、経常利益が20.2%増の21億円、純利益が15.0%増の13億円としている。
米ODEV社製品の販売が好調に推移して2桁営業増益予想である。想定為替レートは1米ドル=110円としている。配当予想は1円増配の年間8円(期末一括)としている。連続増配予想で予想配当性向は16.3%となる。
通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が71.9%、営業利益が69.0%、経常利益が69.9%、純利益が74.8%である。やや低水準の形だが下期の構成比が高い収益特性のためネガティブ要因とはならない。通期ベースで好業績が期待される。
中期経営計画「MODE2017」の経営目標数値には18年3月期売上高160億円、営業利益20億円、経常利益18億円、ROE8.0%を掲げている。17年3月期にはROE目標値を前倒し達成した。そして18年3月期には利益目標を達成する見込みだ。高齢化社会到来の背景もあり、自社製品拡販が牽引して中期的に収益拡大基調が予想される。
■株価は調整一巡感
株価は06年来となる17年10月高値1133円から反落して900円近辺でモミ合う形だったが、2月2日には1072円まで上伸する場面があり、調整一巡感を強めている。
2月9日の終値959円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS49円19銭で算出)は19~20倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は0.8%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS464円72銭で算出)は2.1倍近辺である。時価総額は約254億円である。
週足チャートで見ると26週移動平均線突破の動きを強めている。調整一巡して戻りを試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)