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キーコーヒーは18年3月期減益予想だが19年3月期の収益改善期待
- 2018/2/14 06:27
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
キーコーヒー<2594>(東1)は業務用・家庭用レギュラーコーヒー大手で、パッケージカフェ「KEYS CAFE」など事業領域拡大戦略を積極推進している。18年3月期は減額修正して大幅減益予想だが、19年3月期の収益改善を期待したい。株価は18年3月期減益予想を織り込み済みで、地合い悪化の影響も限定的のようだ。なお2月1日に自己株式取得および自己株式公開買い付けを発表している。
■コーヒー関連事業を主力として飲食関連事業も展開
コーヒー関連事業(業務用・家庭用レギュラーコーヒー)を主力として、飲食関連事業(イタリアントマト、アマンド)も展開している。17年3月期セグメント別売上高構成比は、コーヒー関連事業87%、飲食関連事業8%、その他(ニック食品、honu加藤珈琲店など)6%だった。
中期成長に向けて「ブランド強化」「収益力強化」「グループ連携強化」を3つの柱に掲げ、新商品の開発・投入、パッケージカフェ「KEYS CAFE」の多店舗展開など新たな事業領域開拓を積極推進している。
なお銀座ルノアール<9853>の普通株式58万株を、同社代表取締役社長小宮山誠氏から取得した。間接保有(子会社の有限会社オーギュスト所有分)を含めた出資比率(議決権割合)は34.19%となった。
■18年3月期3Q累計は大幅減益
今期(18年3月期)第3四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比0.3%増の486億89百万円で、営業利益が56.9%減の7億70百万円、経常利益が50.7%減の9億75百万円、純利益が57.7%減の5億24百万円だった。
売上高が計画を下回り、物流コストの上昇なども影響して大幅減益だった。売上総利益率は26.4%で1.9ポイント低下、販管費比率は24.9%で0.3ポイント上昇した。
コーヒー関連事業は、売上高が0.6%増の424億73百万円だが、営業利益が48.1%減の11億07百万円だった。売上面では業務用市場が前年並みにとどまり、原料用市場が減収だが、家庭用市場が増収で、全体として微増収だった。利益面では、販売利益の減少や物流コストの上昇などで大幅減益だった。パッケージカフェ「KEYS CAFE」は10店舗出店し、期末導入店舗数は53店舗となった。
飲食関連事業は、売上高が3.9%減の34億42百万円で、営業利益が40百万円の赤字(前年同期は88百万円の赤字)だった。イタリアントマトの不採算店閉鎖で減収だった。イタリアントマトの期末店舗数は236店舗(直営店55店舗、FC店181店舗)となった。利益面では販管費の効率的運用などで赤字が縮小した。その他事業は、売上高が2.1%増の27億74百万円で、営業利益が68.9%減の86百万円だった。
■18年3月期減額して大幅減益予想、19年3月期の収益改善期待
今期(18年3月期)の連結業績予想は1月29日に減額修正した。10月30日に続いて2回目の減額修正である。天候不順も影響して売上高が計画を下回り、利益面では物流コストの上昇も影響する。
売上高は17億円減額して前期(17年3月期)比0.5%増の633億円、営業利益は4億80百万円減額して78.2%減の3億円、経常利益は4億60百万円減額して67.9%減の5億円、純利益は3億30百万円減額して85.0%減の1億70百万円とした。
配当予想は据え置いて、前期と同額の年間18円(第2四半期末9円、期末9円)としている。予想配当性向は235.3%となる。
今期(18年3月期)は大幅減益予想だが、来期(19年3月期)の収益改善を期待したい。
■株主優待制度は3月末と9月末の年2回実施
株主優待制度は毎年3月末日および9月末日現在の100株以上所有株主に対して自社製品詰め合わせを贈呈している。100株以上~300株未満所有株主に対して1000円相当、300株以上~1000株未満所有株主に対して3000円相当、1000株以上所有株主に対して5000円相当を贈呈する。
■株価は18年3月期減益予想を織り込み済み、地合い悪化の影響も限定的
なお2月1日に自己株式取得および自己株式公開買い付けを発表している。当社代表取締役柴田裕およびその親族の資産管理会社が保有株式の一部を売却し、自己株式として公開買い付けする。取得株式総数の上限85万株、買い付け価格1953円、買い付け期間18年2月2日~18年3月2日としている。
株価は安値圏2100円台でモミ合う形だ。2月9日に2084円まで調整する場面があったが、18年3月期減益予想を織り込み済みで、地合い悪化の影響も限定的のようだ。
2月13日の終値2124円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS7円65銭で算出)は約278倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間18円で算出)は0.8%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1591円39銭で算出)は1.3倍近辺である。時価総額は約482億円である。
週足チャートで見ると26週移動平均線が戻りを押さえる形だが、一方で2100円近辺が下値支持線のようだ。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)