マルマエは調整一巡、受注好調で18年8月期予想は増額の可能性

 マルマエ<6264>(東2)は半導体・FPD製造装置に使用される真空部品などの精密切削加工事業を展開している。受注好調で18年8月期大幅増収増益・増配予想である。1月の受注残高も前年比114.6%増と好調だった。通期予想は増額の可能性が高いだろう。株価は上場来高値圏から地合い悪化で反落したが、調整一巡して上値を試す展開が期待される。

■真空部品や電極などの精密切削加工事業を展開

 半導体・FPD(フラットパネルディスプレー)製造装置に使用される真空部品や電極などの精密切削加工事業を展開している。

 中期事業計画では、需要が拡大基調の半導体分野の伸長・生産性向上を推進し、新規分野として作業補助・介護ロボットの開発(鹿児島大学と共同研究)も推進している。

 なおパイオニアプラズマディスプレイ鹿児島工場の一部を取得し、新たな事業所として出水事業所(仮称)を設置する。半導体分野の需要拡大に対応して生産能力を増強する。18年4月操業開始予定である。

■18年8月期大幅増収増益予想、1Q高進捗率で通期増額の可能性

 今期(18年8月期)非連結業績予想(10月10日公表)は売上高が前期(17年8月期)比31.8%増の40億円、営業利益が30.7%増の10億円、経常利益が33.0%増の9億80百万円、純利益が24.0%増の6億68百万円としている。受注が高水準に推移して大幅増収増益予想である。

 分野別売上高の計画は、半導体分野が42.8%増の30億70百万円、FPD分野が17.6%増の9億07百万円としている。半導体分野はドライエッチング工程関連やCVD工程関連が拡大し、FPD分野は有機EL関連やG10.5液晶パネル関連が拡大する。

 第1四半期は、売上高が前年同期比69.2%増の10億45百万円、営業利益が2.8倍の3億18百万円、経常利益が2.8倍の3億16百万円、純利益が2.9倍の2億20百万円だった。

 受注高は半導体分野が72.3%増の8億71百万円、FPD分野が8.3%増の2億円、その他が3.4倍の16百万円、売上高は半導体分野が75.8%増の7億67百万円、FPD分野が61.5%増の2億56百万円、その他が81.3%減の2百万円だった。

 売上高の増加に伴って材料費、労務費、外注費が増加したが、増収効果や生産性向上効果で吸収した。売上総利益率は40.9%で8.2ポイント上昇、販管費比率は10.4%で4.1ポイント低下した。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高26.1%、営業利益31.8%、経常利益32.2%、純利益32.9%と高水準である。

 月次受注残高(速報値)を見ると、18年1月は半導体分野が7億30百万円(前月比13.0%増、前年同月比121.3%増)、FPD分野が3億06百万円(前月比33.3%増、前年同月比96.6%増)、その他分野が19百万円、合計が10億56百万円(前月比18.4%増、前年同月比114.6%増)だった。好調が続いている。18年8月期通期予想は増額の可能性が高いだろう。

 なお配当予想は年間20円(第2四半期末10円、期末10円)としている。17年3月1日付株式2分割を考慮すると、17年8月期の年間10円に対して10円増配となる。

■株主優待制度は毎年8月末に実施

 株主優待制度は、毎年8月末日現在、6ヶ月以上継続して1単元(100株)以上(17年3月1日付株式2分割後)保有株主を対象として、クオカード1000円分を贈呈する。17年8月期末から実施した。

■株価は調整一巡して上値試す

 株価(17年3月1日付で株式2分割、18年1月1日付で東証マザーズから東証2部に市場変更)は、1月18日の上場来高値2281円から利益確定売りや地合い悪化で一旦反落したが、1500円近辺で下げ渋り調整一巡感を強めている。

 2月15日の終値1591円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS56円08銭で算出)は28~29倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は1.3%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS263円36銭で算出)は6.0倍近辺である。時価総額は約253億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインだ。調整一巡して上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■シスルナ経済圏構築に向け、グローバルなパートナーシップを強化  ispace(アイスペース)<9…
  2. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
  3. ■物価高・人手不足が直撃、倒産件数29カ月連続で増加  帝国データバンクの調査によると、倒産件数が…
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ピックアップ記事

  1. ■化粧品大手は業績下方修正も、電鉄各社は上方修正で活況  トランプ次期大統領の影響を受けない純内需…
  2. どう見るこの相場
    ■金利敏感株の次は円安メリット株?!インバウンド関連株に「トランプ・トレード」ローテーション  米…
  3. ■金利上昇追い風に地銀株が躍進、政策期待も後押し  金利上昇の影響を受けて銀行株、特に地方銀行株の…
  4. ■トリプルセット行、ダブルセット行も相次ぐ地銀銀株は決算プレイで「トランプトレード」へキャッチアップ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る