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神鋼商事は地合い悪化の売り一巡、18年3月期増額して大幅増益・増配予想
- 2018/2/19 08:34
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。18年3月期は増額修正して大幅増益・増配予想である。市場環境が良好に推移し、神戸製鋼グループの品質問題も大きな影響が出ていない。株価は地合い悪化の売りが一巡して上値を試す展開が期待される。
■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社
神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。
17年3月期セグメント別(連結調整前)の売上高構成比は鉄鋼35%、鉄鋼原料28%、非鉄金属25%、機械・情報8%、溶材5%、経常利益構成比は鉄鋼52%、鉄鋼原料13%、非鉄金属19%、機械・情報12%、溶材4%だった。
中期経営計画の目標値には21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円、純利益52億円、海外取引比率50%、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、投資計画4年間合計300億円などを掲げている。
■18年3月期増額して大幅増益・増配予想
18年3月期の連結業績予想は、1月31日に売上高を800億円増額、営業利益を28億円増額、経常利益を26億円増額、純利益を13億円増額修正した。市場環境が良好に推移し、神戸製鋼グループの品質問題も大きな影響が出ていない。
修正後の連結業績予想は、売上高が17年3月期比20.9%増の9300億円、営業利益が68.1%増の81億円、経常利益が60.0%増の84億円、純利益が68.3%増の50億円とした。
第3四半期累計は、売上高が前年同期比25.5%増の6933億26百万円、営業利益が80.5%増の59億17百万円、経常利益が68.3%増の65億44百万円、純利益が66.3%増の45億66百万円だった。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属における取扱数量増加や価格上昇効果で大幅増収増益だった。
セグメント別の経常利益は、鉄鋼が48.2%増の30億47百万円、鉄鋼原料が38.4%増の9億円、非鉄金属が66.9%増の18億42百万円だった。機械・情報は熱処理炉やリチウム電池包材などが増加して3.5倍の4億80百万円、溶材は国内造船向け大型設備案件が減少して72.9%減の48百万円だった。
通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が74.6%、営業利益が73.0%、経常利益が77.9%、純利益が91.3%である。通期ベースでも好業績が期待される。
なお配当予想は期末10円増額して年間100円(第2四半期末45円、期末55円)とした。16年10月1日付の株式併合(10株を1株に併合)を考慮して17年3月期を年間100円に換算すると、17年3月期と同額になる。また予想配当性向は17.7%となる。
■株価は地合い悪化の売り一巡して上値試す
株価は業績・配当増額修正を好感し、07年来となる2月2日高値4260円まで上伸した。その直後に地合い悪化の影響で急反落した。ただし3500円近辺で推移し、地合い悪化の売り一巡感を強めている。
2月16日の終値3500円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS564円68銭で算出)は6~7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間90円で算出)は2.6%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS5112円18銭で算出)は0.7倍近辺である。時価総額は約310億円である。
週足チャートで見ると26週移動平均線近辺で下げ渋り、サポートラインを確認した形だ。地合い悪化の売りが一巡して上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)