【編集長の視点】BEENOSは1Q流通総額の高進捗率を手掛かりに売られ過ぎの訂正買いが拡大し続急伸

 BEENOS<3328>(東1)は、前週末16日に25円高の1503円と続急伸して引け、世界同時株安が響いてつけた直近安値1430円からの底上げを加速させた。今年2月1日に発表した今9月期第1四半期(2017年10月~12月期、1Q)決算で、流通総額が、今9月期通期計画に対して高進捗率を示したことを手掛かりに売られ過ぎの訂正買いが増勢となった。中国の春節(旧正月)が、前週15日からスタートしており、同社が昨年12月21日に宿泊施設の企画・運営を行うスターリゾート社(東京都渋谷区)に出資したと発表したことを見直し、インバウンド(外国人観光客)関連株人気の再燃も期待されている。

■1Q流通総額は前期末比13%増と伸び9月通期計画比で約28%の高進捗率

 同社の今期1Q業績は、売り上げ53億6500万円(前年同期比8.0%増)、営業利益9400万円(同7.3%増)、経常利益1億3700万円(同78.7%増)、純利益3700万円(前年同期は8900万円の赤字)と増益・黒字転換して着地した。連携サイトが、前期末比70サイト増の1760サイト、会員数が同7万人増の138万人と伸び、Eコマース事業のクロスボーダー部門では、米国倉庫やカスタマーサービスの内製化により新サービスを導入し、リテールライセンス部門では、自社ブランド「SWATi」の認知度が向上したほかエンターテインメント関連が好調に推移しており、流通総額が、同13.3%増の111億8000万円と過去最高となったことなどが要因となった。

 同社は、業績ガイダンスについてインキュベーション事業の営業投資有価証券の売却益の発生時期や金額の見積もりを開示することは合理的でないとする業績開示方針に基づき、今9月期通期予想業績を発表していない。しかし、通期流通総額については期初に計画を立て、430億円(前期比1.6%増)と見込んでいる。1Q流通総額実績の111億8000万円は、この通期計画に対して27.6%の進捗率と目安の25%を上回っており、通期業績の上ぶれ期待を高めている。市場コンセンサスでは、純利益を11億円内外と観測し、前期の過去最高(10億1100万円)を連続更新、一部には増配含みともしているだけに、今後の業績推移が注目される。

■25日線からなお13%超も下方かい離しインバウンド人気もオンして戻り幅を拡大

 株価は、昨年12月のスターリゾート社出資で昨年来高値2050円まで急伸し、年明け後の2000円台固めから、世界同時株安に巻き込まれて1430円安値へ突っ込み、25日移動平均線からの大幅マイナスかい離は売られ過ぎとして戻りに転じた。直近安値から100円幅の底上げをしているが、25日線からなお12%超のマイナスかい離で、市場コンセンサスベースのPERは16倍台と割安の計算となり、さらに春節到来でインバウンド関連人気も再燃させることも加わり昨年来高値を目指し一段とリバウンド幅を拡大させよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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