【新規上場(IPO)銘柄】ジーニーは第3四半期概ね当初計画通り、下値確認からリバウンドへ

株式市場 IPO 鐘

 ジーニー<6562>(東マ)は、昨年12月18日に東京証券取引所マザーズに上場した。同社グループは、「世界的なテクノロジー企業を創る」という志のもと、2010年4月に設立。日本とアジアのインターネット広告業界において「RTB(Real Time Bidding)」という新しいテクノロジーを使った広告仲介のプラットフォームを提供している。RTBは、企業が適切なユーザーに適切なタイミングで広告を配信するためのテクノロジーで、RTBを元にしたインターネットメディア向け広告配信システム「GenieeSSP」は、創業6年で国内No.1規模のマーケットシェアを獲得している。

 同社グループは、現在、同社、Geniee International Pte., Ltd.(シンガポール)、Geniee Vietnam Co., Ltd.(ベトナム)、PT. Geniee Technology Indonesia(インドネシア)、PT. Adstars Media Pariwara(インドネシア)、Geniee Adtechnology (Thailand) Co., Ltd.(タイ)等、 国内と東南アジア地域において事業を展開している。1秒間に数十万リクエスト、1日15テラbyteという国内屈指のデータ量を扱っており、高い技術力を背景に、世界レベルの広告配信システムを実現している。

 2月13日大引け後に発表した今2018年3月期第3四半期業績実績は、売上高100億7300万円、 営業利益3億6900万円、経常利益3億2800万円、最終損益7300万円の赤字に着地。概ね当初計画どおりに推移している。アド・プラットフォーム事業では、GenieeSSPにて、アドフラウド対応による影響等のマイナス要因があったものの、大型案件の受注やOEM案件の増加等により継続拡大しているほか、GenieeDSPも、積極的な新規開拓により規模が拡大している。マーケティングオートメーション事業では、MAJINで、新たな独自機能の開発や他社連携による機能追加を実施、新規開拓やイベント出展、セミナー開催により、累計アカウント数は650社超と順調に伸びている。

 今18年3月期業績予想は、売上高147億3100万円(前期比25.6%増)、営業利益5億4800万円(同2.1倍)、経常利益5億2200万円(同2.7倍)、最終損益4700万円の黒字(同1400万円の赤字)を見込む。上場で得た資金は新製品の開発や人材確保に投じる計画で、年間配当予想は、無配を予定としている。

 株価は、昨年12月18日の上場初日に公開価格1350円を98.1%上回る2674円で初値をつけ、翌19日高値2970円と買われた後、2月14日安値1372円まで調整を挟んで同19日高値1659円と出直りつつある。第3四半期決算好調で、No.1シェアのGenieeSSPのユーザーデータと顧客資産を活用、最先端のテクノロジーを活用した新規事業や新たな地域に参入を続け、継続的な高成長を実現。「アジアNo.1」を目指すことへの期待感が再度高まっている。公開価格に接近し、下値を確認しており、目先25日移動平均線を突破出来るか注目されそうだ。(株式評論家・信濃川)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■全従業員にAI活用徹底、業務改革を本格化  LINEヤフー<4689>(東証プライム)は7月14…
  2. ■50年以上親しまれたかぜ薬が国内市場から姿を消す?  大正製薬は7月14日、塗るかぜ薬「ヴイック…
  3. ■鈴鹿8耐で新型CBコンセプト登場  ホンダ<7267>(東証プライム)は7月11日、大型ロードス…
2025年9月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■01銘柄:往年の主力株が再評価、低PER・PBRで買い候補に  今週の当コラムでは、買い遅れカバ…
  2. ■日米同時最高値への買い遅れは「TOPIXコア30」と「01銘柄」の出遅れ株でカバー  日米同時最…
  3. ■東京株、NYダウ反落と首相辞任で先行き不透明  東京株式市場は米国雇用統計の弱含みでNYダウが反…
  4. ■株式分割銘柄:62社に拡大、投資単位引き下げで流動性向上  選り取り見取りで目移りがしそうだ。今…
  5. ■金先物相場を背景に産金株が収益拡大の余地を示す  東京市場では金価格の上昇を背景に産金株が年初来…
  6. ■大統領の交渉術が金融市場を左右し投資家心理に波及  米国のトランプ大統領は、ギリシャ神話に登場す…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る