【編集長の視点】ビーロットは最安値も業績は連続最高純益更新予想と売られ過ぎ歴然

編集長の視点

 ビーロット<3452>(東マ)は、820円安の9780円と3営業日続落して始まり、昨年12月11日の新規株式公開(IPO)時につけた上場来安値9910円を下抜いている。前日の米国市場でニューヨーク・ダウ平均株価が反発し、為替相場も、1ドル=121円台と円安となったことで、きょう10日の東京市場で、新興市場から東証第1部の輸出主力株への資金シフトが続き、内需関連の同社株にも売り優勢となっている。ただ、同社の今12月期純利益は、連続の過去最高更新と見込まれて売られ過ぎは歴然で、下値では、昨年の9910円から昨年末の上場来高値まで2.05倍の大化けを演じた急騰再現思惑も台頭しそうだ。

■販売用不動産物件の積極取得が続き今期純利益は41.8%増予想

同社の今12月期業績は、売り上げ54億100万円(前期比45.6%増)、経常利益4億3000万円(同45.8%増)、純利益2億5000万円(同41.8%増)と予想され、純利益は、前期の過去最高を大幅に更新する。同社は、中古の賃貸マンションやオフィスビルなどを購入してリフォーム、物件価値や収益力を強化して売却する不動産開発事業を主力に、不動産コンサルティング事業、不動産マネジメント事業を展開しているが、不動産市況の上昇や富裕層などの投資ニーズの高まりで3事業とも2ケタの増収増益と好調に推移している。

前期の不動産開発事業では、期初保有の16物件をすべて売却し売り上げが前々期比70.6%増、セグメント利益が同49.6%増と大きく続伸し、期中に18物件を取得、不動産コンサルティング事業では、地方分散ニーズに対応した東京の投資家向けの北海道物件が好調に推移、不動産マネジメント事業では、初の関西圏物件を含めて8棟の新規受託を実現して受託棟数が、36棟に拡大したことなどが寄与した。今期に入っても、不動産開発事業では今年1月26日に東京都新宿区の1棟ビルの取得を発表するなど積極的な販売用不動産の仕込みが続き、前期に仕込んだ物件も収益寄与することなどから業績続伸を見込んでいる。

■5日線から17.3%のマイナスかい離と突っ込み買い妙味を示唆

株価は、公開価格2010円に対して1万500円でつけ即ストップ高し翌12月16日もストップ高して1万6500円をつけIPO人気の一巡で上場来安値9910円まで突っ込んだが、販売用不動産の取得・売却をテコに上場来高値2万390円まで1カ月超で2.05倍の急騰を演じた。その後、この急騰幅の3分の2押し水準固めが続き、相場全般が新興市場から東証第1部の主力株シフトを強めた影響で再び下ぶれた。きょうの3営業日続落で25日移動平均線からは17.3%のマイナスかい離となり、昨年末の上場来高値への急騰再現思惑を連想し下げ過ぎ訂正の突っ込み買い妙味を示唆している。(本紙編集長・浅妻昭治)

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