【編集長の視点】マーケットエンタは小反落も2四半期連続の営業黒字にインバウンド株人気も加わりなお売られ過ぎ訂正余地
- 2018/2/21 08:42
- 編集長の視点
マーケットエンタープライズ<3135>(東マ)は、前日20日に7円安の776円と2営業日ぶりに小反落して引けた。同社株は、世界同時株安に巻き込まれて突っ込んだ直近安値681円から100円幅の底上げをしており、目先の利益を確定する小口売りに押された。ただ相場波乱中の今年2月14日に発表した今2018年6月期第2四半期(2017年7月~12月期、2Q)累計決算で、営業利益が、2四半期連続で黒字転換して着地したことは、まだ株価への織り込み途上にあり、売られ過ぎとして値ごろ株買いが再燃する展開が有力視されている。前週の2月15日から中国の春節(旧正月)が始まり、またきょう21日大引け後には日本政府観光局が、2018年1月分の訪日外客数を発表予定にあり、これを受けて同社が、今年1月に発表した国内最大の民泊物件サイトを運営するスペースエージェント(東京都渋谷区)への出資・事業提携を見直してインバウンド(外国人観光客)関連のテーマ株人気も高まりそうだ。
■前期、今期の先行戦略投資で売り上げは続伸し効率的な業務運営効果もオン
同社の今6月期2Q累計業績は、売り上げが29億1400万円(前年同期比12.3%増)と続伸し、営業利益が500万円(前年同期は7100万円の赤字)、経常利益は300万円の赤字(同6700万円の赤字)、純利益は600万円の赤字(同5400万円の赤字)で着地した。営業利益は、今期第1四半期(2017年7月~9月期、1Q)の100万円の黒字より黒字幅を拡大して2四半期連続で黒字転換し、経常利益と純利益は前年同期より赤字幅が縮小した。
同社株は、インターネットに特化してリユース品を買い取り・販売するネット型リユース事業を主力事業としており、前2017年6月期、今2018年6月期の2期間を中長期的な成長拡大に向けた戦略投資期間と位置付け、東京都、北海道などにリユースセンターを開設するなど積極的な拠点展開を進め、取扱商材も中古農機具などへ拡大し、宅配レンタルサービスを開始するなど周辺業務を開拓、ヤフーと買取サービスで提携して大手企業とのアライアンスを強化している。この先行投資と同時に効率的な事業運営を進めており、売り上げ続伸とともに営業利益は黒字転換した。経常利益は、長期滞留在庫の処分をして赤字が続き、純利益も、1Qに発行した新株予約権費用を計上して同様となったが、赤字幅そのものは前年同期より縮めた。今6月期通期業績は、期初予想に変更はなく売り上げ66億円(前期比17.2%増)、営業利益5500万円(前期は700万円の赤字)、経常利益5100万円(同400万円の黒字)、純利益2900万円(同1900万円の赤字)と見込んでいる。
なおスペースエージェントへの出資・事業提携は、累計掲載件数5000件以上を誇り民泊物件を取り扱うサイトとして国内最大の同社の不動産ポータルサイト「民泊物件.com」とマーケットエンタープライズのリユース品の買取・販売ノウハウを融合させて互いにシナジー効果を高め、将来的には「民泊物件.com」を通じて民泊事業者向けにリユース設備商品や利用者向けレンタルサービスも提供する。また、マーケットエンタープライズは、これに続き今年2月14日には中古建機販売プラットフォーム「ALLSTOCKER」を企画・開発・運営するSORABITO(東京都中央区)との事業提携を発表、中古建機の買取・販売を強化するなど次々と成長戦略を推進している。
■25日線から7%の下方かい離を修正し3分の1戻し、半値戻しとリバウンド幅拡大
株価は、昨年11月のヤフーとの新買取サービスの提携で4日間のストップ高を交えて昨年来高値1490円まで2.5倍の大化けを演じ、年明け後は、「札幌リユースセンター」オープンなどで25日移動平均線を出没する900円台固めを続けてきたが、世界同時株安に直撃されて681円安値まで突っ込んだ。足元では、同安値から2Q業績の営業黒字業績を見直して100円幅の底上げをしているが、なお25日移動平均線とは約7%のマイナスかい離と下げ過ぎを示唆している。25日線を上抜いて弾みをつけ、昨年来高値からの調整幅の3分の1戻しの950円、半値戻しの1085円とリバウンド幅を拡大させよう。(本紙編集長・浅妻昭治)