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テクマトリックスは売り一巡して戻り試す、18年3月期大幅営業増益・連続増配予想
- 2018/2/21 07:59
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
テクマトリックス<3762>(東1)は「ITのスペシャリスト集団」として、システム受託開発やセキュリティ関連製品販売などの情報サービス事業を展開している。18年3月期第3四半期累計は営業減益だったが、通期はセキュリティ関連が好調に推移して大幅営業増益・連続増配予想である。株価は1月の上場来高値圏から急反落したが、売り一巡して戻りを試す展開が期待される。
■システム受託開発やセキュリティ関連製品販売などを展開
ネットワーク・セキュリティ関連のハードウェアを販売する情報基盤事業、および医療・CRM・EC・金融を重点分野としてシステム受託開発やクラウドサービスを提供するアプリケーション・サービス事業を展開している。
17年3月期のセグメント別売上高構成比は情報基盤事業67%、アプリケーション・サービス事業33%、営業利益構成比は情報基盤事業83%、アプリケーション・サービス事業17%だった。連結子会社は合同会社医知悟、クロス・ヘッド、沖縄クロス・ヘッド、カサレアルの4社である。
重点戦略として、ストック型ビジネスの保守・運用・監視サービス関連の戦略的拡大、クラウド関連事業の戦略的・加速度的推進、ネットワーク・セキュリティ関連商材およびサービスの充実などを推進している。クラウドサービスでは、コンタクトセンター向け顧客情報・対応履歴一元管理CRMシステム「Fast」シリーズや、医療情報クラウドサービス「NOBORI」などを展開している。
経営計画の目標数値には、18年3月期売上高251億円(情報基盤170億円、アプリケーション・サービス81億円)、営業利益23億50百万円(情報基盤16億円、アプリケーション・サービス7億50百万円)を掲げている。さらに中期的には年率売上高成長率10%、M&Aや海外展開を含めて事業規模250億円~300億円、ストック売上(クラウド、保守、運用・監視サービス等)比率50%超を目指して、売上高営業利益率10%へ挑戦する。
17年12月にはメディカル・データ・ビジョン<3902>と業務提携した。医療情報クラウドサービス「NOBORI」とメディカル・データ・ビジョンのWEBサービス「カルテコ」を連携する。
18年1月には100%子会社としてNOBORIを設立し、医療システム事業を承継(効力発生日18年4月1日)すると発表した。またNOBORIが行う第三者割当増資を三井物産<8031>が引き受ける(払込期日18年4月19日)ことに関する出資契約を締結した。三井物産と共同で事業展開する。
収益面では情報システム関連のため、年度末にあたる第4四半期(1~3月)の構成比が高い特性がある。株主優待制度は毎年9月30日現在の500株以上保有株主を対象として実施している。
■18年3月期大幅営業増益・連続増配予想
今期(18年3月期)の連結業績予想(5月9日公表)は、売上高が前期(17年3月期)比9.1%増の240億円、営業利益が21.7%増の20億円、経常利益が35.2%増の22億円、純利益が37.5%増の14億円としている。セキュリティ関連が好調に推移し、人件費増加などを吸収して大幅増益予想である。配当予想は3円増配の年間18円(期末一括)で、予想配当性向は22.3%となる。
第3四半期累計は売上高が前年同期比5.2%増の165億03百万円、営業利益が6.4%減の9億39百万円、経常利益が9.3%増の10億77百万円、純利益が10.5%増の6億83百万円だった。
売上面ではストック型ビジネスが順調に積み上がり、セキュリティ関連ビジネスも好調だったが、第2四半期累計までのCRMとインターネットサービス分野の不採算案件の影響、および子会社クロス・ヘッドにおける事業構造改革の影響で営業減益だった。売上総利益率は33.2%で0.7ポイント低下、販管費比率は27.5%で横ばいだった。経常利益と純利益は営業外収益に投資事業組合運用益1億49百万円を計上して増益だった。
情報基盤事業は売上高が5.7%増の111億51百万円で営業利益が5.8%減の8億61百万円だった。アプリケーション・サービス事業は売上高が4.2%増の53億52百万円で営業利益が12.2%減の10百万円だった。医療情報クラウドサービス「NOBORI」は好調な引き合いが継続している。
なお17年12月末時点で「NOBORI」契約施設数は760、「NOBORI」に画像を保管している患者数は2017万4260、遠隔読影プラットフォーム「医知悟」利用専門医数は1405となった。
通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が68.8%、営業利益が47.0%、経常利益が49.0%、純利益が48.8%である。低水準の形だが、第4四半期の構成比が高い特性のため、通期ベースでは好業績が期待される。
■株価は高値圏から急反落したが売り一巡感
株価は第3四半期累計業績を嫌気する形で1月の上場来高値2253円から急反落した。その後は1700円~1800円近辺で推移して売り一巡感を強めている。
2月20日の終値1858円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS80円59銭で算出)は23倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間18円で算出)は1.0%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS277円14銭で算出)は6.7倍近辺である。時価総額は約460億円である。
週足チャートで見ると26週移動平均線近辺で下げ渋り、サポートラインを確認した形だ。売り一巡して戻りを試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)