【業績でみる株価】CRI・ミドルウェアは18年9月期1Q黒字化して通期も大幅増収増益予想

 CRI・ミドルウェア<3698>(東マ)は、音声と映像のミドルウェア「CRIWARE」を開発・許諾販売している。18年9月期第1四半期は黒字化した。そして通期もスマホゲーム向けの好調などで大幅増収増益予想である。株価は地合い悪化も影響して安値圏だが、売り一巡して下値固め完了感を強めている。

■ミドルウェア「CRIWARE」を展開

 音声と映像のミドルウェア「CRIWARE」を開発・許諾販売している。ミドルウェアとは、オペレーティングシステム(OS)とアプリケーションソフトの中間に位置するソフトウェアの総称で、ソフトウェアとハードウェアを繋ぐ「部品」のような役割を果たす。

 ミドルウェア「CRIWARE」は、音声・映像データを圧縮する技術(自社開発の音声コーデックで「良い品質」を保ち、圧倒的な圧縮技術で「小さく軽く」を実現する技術)、および優れた再生技術(ハードウェアの特性に合わせて「きれいに再生」する技術)を強みとしている。

 現在はゲーム分野を主力としている。ミドルウェア「CRIWARE」を採用したゲームタイトル数は17年12月時点で累計4034タイトルとなった。対応機種は累計20機種以上である。スマホゲーム採用率(ゲームアプリランキング上位100社における採用アプリ数の割合、17年12月時点)は36%、家庭用ゲーム採用率(上位300位、15年12月~16年12月集計)は26%だった。

 17年9月期の事業分野別売上構成比は、ゲーム分野が61%、組み込み分野(遊戯機、家電、業務用機器、車載など)が23%、医療・ヘルスケア分野が6%、新規分野(動画圧縮、Web動画など)が10%だった。重点戦略としてスマホゲーム分野の受注拡大を国内および中国で加速するとともに、注力分野として監視カメラ、Web動画、車載などへの展開も推進している。

■18年9月期1Q黒字化、通期も大幅増収増益予想

 18年9月期の連結業績予想は売上高が17年9月期比19.1%増の15億円、営業利益が2.5倍の3億円、経常利益が2.5倍の3億円、純利益が2.6倍の2億10百万円としている。国内スマホゲーム向けの好調が牽引し、組み込み分野の大型案件なども寄与して大幅増収増益予想である。

 ゲーム分野はスマホ向けの大手顧客向け契約更新で売上伸長を見込んでいる。世界最大ゲーム市場の中国での受注拡大にも注力し、17年12月には中国の大手ゲームパブリッシャー「NetEase(ネットイーズ)」が提供するスマホゲーム「萌王EX」に採用された。組み込み分野では業務用エンタテインメント機器向け案件、車載サウンド案件、音響機器向け新規案件などが寄与する。新規分野では動画圧縮はLTE監視カメラ向けに注力する。

 第1四半期は、売上高が11.7%増の3億06百万円で、営業利益が16百万円(前年同期は15百万円の赤字)、経常利益が17百万円(同14百万円の赤字)、純利益が14百万円(同11百万円の赤字)だった。

 国内スマホ向けが好調で、F2Pゲーム向け月額許諾売上の積み上げが貢献した。ゲーム分野売上は28%増収で、F2Pゲーム向け許諾は7四半期連続増収だった。組み込み分野では業務用エンタテインメント機器向け開発案件が復調し、車載用の受注獲得も始まった。

 第1四半期が黒字化し、通期ベースでも好業績が期待される。

■株価は売り一巡して下値固め完了感

 株価は地合い悪化も影響して安値圏だが、売り一巡して下値固め完了感を強めている。2月14日に昨年来安値1759円まで調整したが、その後は切り返す動きだ。2月20日の終値は1937円、今期予想連結PERは約44倍、時価総額は約96億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線突破の動きを強めている。反発を期待したい。(MM)

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