【材料で見る株価】KeyHolderは「ライブ・エンタメ」新事業などに期待強く直近波乱相場の7割強を回復

■今期の営業減益は消化済みの感触で株価は先々への期待を映し始める展開

 KeyHolder(キーホルダー)<4712>(JQS)は21日、127円(6円高)まで上げて再び出直りを強めた。さる2月9日、新たに開始を検討する「ライブ・エンタメ事業」に向けて三越伊勢丹ホールディングス<3099>(東1)グループとの賃貸借契約を発表。株価は、折悪しく米国の金利上昇に触発された世界同時株安のあおりを受けて下押したが、21日には、これによる下げ幅の7割強を回復した。積極的な事業展開に対する期待は強いといえる。「半値戻しは全値戻し」でもあり、全値戻しのあとは上げ一服の値固めを経ることもあるが、新事業に期待する相場に発展する可能性が出てきた。

■「新宿アルタ」でアーティストやアイドルと情報発信するイメージ

 三越伊勢丹ホールディングス<3099>(東1)グループとの賃貸借契約は、新たに開始を検討するライブ・エンタメ事業で情報発信を担うライブ・イベントスペースとして、東京・新宿の「アルタ」ブランドの商業施設を保有する株式会社三越伊勢丹プロパティ・デザインとの間で、新宿アルタ店の1階および7~8階の区画につき、定期建物賃貸借契約を締結するものだ。
 「新宿アルタ」は、待ち合わせ場所としてはもちろん、数々の人気番組の収録スタジオとして流行文化の発信源となってきた。新たに開始する「ライブ・エンタメ事業」では、「様々なアーティストやアイドル・パフォーマーなどに対して、ライブ・イベント向けの施設
を提供し、運用するビジネスを実施する」とし、より具体的な事業概要の発表などに期待が集まっている。具体化するにつれ、株価材料としても注目を強める可能性がある。

 また、2月9日には、タレント・アーティストなどのキャスティング提案事業や企画制作、商品・サービスの開発支援などを展開する株式会社allfuz(オルファス、東京都渋谷区)との業務提携も発表した。

 発表によると、オルファス社は、豊富なタレント・アーティスト情報に基づくキャスティング業務や販売戦略の立案を主軸とした広告・プロモーション企画の制作事業のほか、コンテンツを活用した商品・サービスの開発支援業務を行う中で、日本唯一の「コンテンツ・ブティック」として、イベント事業などのマーケティングセールスプロモーションの企画・提案・運営におけるノウハウを蓄積している。新たに開始する「ライブ・エンタメ事業」の早期収益化や収益力強化などに向けた提携として注目されている。

 今期・2018年3月期の連結業績見通しは、既存ゲーム店舗やVR機器の販売・レンタルが伸び悩む半面、不動産事業および商業施設建築事業などが順調なため、売上高を前期比10%減の201億円とし、営業利益は同じく67%減の2.6億円の見込みとした。純利益については、100%子会社アドアーズの全株式の譲渡にともない、同じく約5倍の10.5億円の見込みとした。

 本業の推移を示す売上高・営業利益ベースでは減になるが、株価の回復ピッチが強い点が注目されており、今3月期についてはすでに消化済みで、先々への期待を映し始めているとの見方が出ている。(HC)

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