【株式評論家の視点】第一精工は今12月期2ケタ増益の続伸を見込む、下押す場面は買い妙味膨らむ

株式評論家の視点

 第一精工<6640>(東1)は、昭和38年(1963年)に京都で精密な金型を造る会社として誕生。同社は、1000分の1ミリという精度で金属を加工して造る、「金型」で培った精密技術を最も大切な「核(コア)」として、コネクタをはじめとする電子部品や自動車部品、半導体や液晶用の製造装置などを開発・製造している。

 今2018年12月期は、同社の電気・電子部品事業では、新たな需要が見込まれるIoT関連、ロボット、医療、車載、サーバー等の分野においてアンテナ用超小型RF同軸コネクタや細線同軸コネクタをはじめとする各種コネクタの拡販に注力する。また、各種電子機器において高速伝送化が加速する見込みで、伝送特性に優れたコネクタの開発と拡販に注力する。HDD関連部品では、HDDの大容量化が進む見込みで、大容量化ニーズに対応する部品への取り組みを強化し、併せて最適地生産体制の拡充に注力する。 自動車部品事業では、従来の自動車部品需要に加え、電気自動車やコネクテッドカーの普及、自動運転技術の向上等に伴う新たな需要開拓を行う。車載用センサでは、新工場の建設等を進め、更なる成長へ向けた準備を推し進める。 車載用コネクタでは、LEDヘッドライト等に使用されるSMTコネクタなど独自技術を活用した自社ブランドコネクタの開発と拡販に引き続き注力する。 設備事業では、半導体需要が引き続き好調に推移する見込みで、超薄型成形対応の樹脂封止装置等の拡販に注力するとともに、成形技術を応用した新規ビジネスの開拓にも引き続き取り組む方針。

 2月9日に発表した前2017年12月期業績実績は、売上高519億2500万円(前の期比13.3%増)、営業利益26億0400万円(同6.5倍)、経常利益25億0900万円(同3.1倍)、純利益16億6700万円(同11倍)に着地。

 今18年12月期業績予想は、売上高551億円(前期比6.1%増)、営業利益33億円(同26.7%増)、経常利益32億円(同27.5%増)、純利益22億円(同31.9%増)を見込む。年間配当予想は、25円(第2四半期末5円、期末20円)継続を予定としている。

 株価は、昨年11月11日に昨年来高値3300円、本年1月11日高値3300円と買い直された後、2月14日安値2591円まで調整。その後、モミ合っている。今12月期2ケタ増益の続伸を見込んでおり、第1四半期決算が好調に推移すれば、リバウンドも想定される。目先13週移動平均線を上値に日柄調整に入った感はあるが、下押す場面があれば、買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)

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