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ミロク情報サービスは自律調整一巡して上値試す、18年3月期配当を増額、業績も増額の可能性
- 2018/2/26 08:34
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ミロク情報サービス<9928>(東1)は、財務・会計ソフトの開発・販売・サービスを主力として、クラウドサービスやFinTech分野も強化している。18年3月期第3四半期累計が高進捗で、通期予想は増額の可能性が高いだろう。株価は上場来高値圏から反落したが、自律調整一巡して上値を試す展開が期待される。
■財務・会計ソフトの開発・販売およびサービスが主力
会計事務所(税理士・公認会計士事務所)と、その顧問先企業である中堅・中小企業向けに、財務・会計ソフトなどの業務用アプリケーションソフト開発・販売、汎用サーバ・パソコン・サプライ用品販売、運用支援・保守サービス、経営情報・コンサルティングサービスなどを展開している。
17年3月期の品目別売上高構成比は、システム導入契約売上高(システム導入契約時のハードウェア、ソフトウェア、システム導入支援サービスなどのユースウェア販売)が62%、サービス収入(会計事務所向け総合保守サービスTVS、ソフト使用料収入、企業向けソフトウェア運用支援サービス、ハードウェア・ネットワーク保守サービス収入など継続的な役務の対価)が34%、その他が4%だった。
会計事務所が抱えている課題を解決することで中堅・中小企業支援にも繋がるトータルソリューションを強みとしている。収益はソフト保守サービス契約率上昇などでサービス収入が拡大するストック型収益構造である。全国約8400の会計事務所ユーザー、および約1万7000社の中堅・中小企業ユーザーを有し、ストック型収益が伸長して収益力が向上している。長期目標として21年3月期売上高500億円、経常利益率30%、ROE30%を目指している。
■新サービス開発・展開も強化
中小企業の経営・業務改善を支援するBtoBクラウドプラットフォーム「bizsky」を構築し、振込、請求書発行・入金消込、給与明細配信、アカウントアグリケーション、資金繰り管理など、新たなFinTech分野サービスを「bizsky」上で展開している。
17年5月には新たなFinTech分野のサービス構想に向けて、韓国BrilliantTS社および韓国NFC社と資本業務提携した。17年6月にはソラミツが開発したブロックチェーン基盤「Hyperledger Iroha」のユースケース・パートナーとして参画した。
子会社のビズオーシャンは、音声AIを活用して報告書や業務日報などのビジネスドキュメントを手軽に作成する新サービス「SPALO(スパロ)」を開発し、17年10月から提供開始した。
17年11月には新生銀行と資本業務提携した。MJS製品における金融サービス開発および地域金融機関への展開で連携する。またFinTech企業を支援するため、新たなファンド事業への参画も検討する。
■18年3月期第3四半期累計は大幅増益
今期(18年3月期)第3四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比7.3%増の211億08百万円、営業利益が22.9%増の39億19百万円、経常利益が21.3%増の38億76百万円、そして純利益が17.9%増の24億51百万円だった。
システム導入契約売上高、サービス収入とも好調に推移して大幅増益だった。差引売上総利益率は66.3%で0.1ポイント上昇、販管費比率は47.7%で2.3ポイント低下した。なお営業外では持分法投資損失が増加し、特別損失では投資有価証券評価損を計上した。
品目別売上は、システム導入契約売上高が6.6%増収(ハードウェアが18.0%増収、ソフトウェアが3.9%増収、ユースウェアが4.8%増収)で、サービス収入が6.1%増収(会計事務所向け総合保守サービスのTVSが1.8%増収、ソフト使用料が9.7%増収、企業向けソフトウェア運用支援サービスが9.5%増収、保守サービスが2.2%増収、サプライ・オフィス用品が0.3%減収)だった。
■18年3月期配当を増額修正、3Q累計高進捗で業績も増額の可能性
今期(18年3月期)の連結業績予想(5月12日公表)は売上高が前期(17年3月期)比4.1%増の273億円、営業利益が7.2%増の44億円、経常利益が9.7%増の44億円、純利益が9.3%増の28億60百万円としている。システム導入契約売上高、サービス収入とも順調に拡大して、増収増益予想である。
配当予想は2月2日に期末2円増額して年間27円(期末一括)とした。17年3月期との比較でも2円増配となる。予想配当性向は29.5%となる。
また通期業績予想に対する第3四半期累計の進捗率は、売上高が77.3%、営業利益が89.1%、経常利益が88.1%、純利益が85.7%と高水準である。ストック型収益構造であることを考慮すれば、通期業績予想も増額の可能性が高いだろう。
■株価は上場来高値圏、自律調整一巡して上値試す
株価は2月2日に上場来高値3590円まで上伸した。その後は地合い悪化も影響して一旦反落したが、3000円近辺から切り返している。自律調整の範囲だろう。
2月23日の終値3195円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS91円48銭で算出)は35倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間27円で算出)は0.8%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS474円72銭で算出)は6.7倍近辺である。時価総額は約1112億円である。
週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインだ。自律調整一巡して上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)