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ラ・アトレは調整一巡して上値試す、18年12月期も大幅増収増益・連続増配予想
- 2018/2/26 08:29
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ラ・アトレ<8885>(JQ)は、新築分譲マンションなどの新築不動産販売、リノベーションマンションなどの再生不動産販売を主力としている。中期成長に向けて周辺ビジネスや海外展開への取り組みも推進している。17年12月期は大幅増収増益だった。積極的な事業展開で18年12月期も大幅増収増益予想、そして連続増配予想である。株価は昨年来高値圏から地合い悪化の影響で反落したが、調整一巡して上値を試す展開が期待される。
■新築不動産販売、再生不動産販売が主力
新築分譲マンションなどの新築不動産販売、リノベーションマンションなどの再生不動産販売を主力として、不動産事業を展開している。
17年12月期のセグメント別売上高構成比は、不動産販売事業93%(新築不動産販売58%、再生不動産販売35%)、不動産管理事業7%、営業利益構成比は不動産販売事業76%(新築不動産販売43%、再生不動産販売33%)、不動産管理事業24%だった。なお四半期業績は物件引き渡しによって変動しやすい特性がある。
■中期成長に向けて周辺ビジネスや海外展開への取り組みを推進
中期成長に向けて、首都圏において実需の根強い戸別リノベーションマンションの仕入・販売の強化、綿密なマーケティングに基づく新築マンションの販売、高齢者住宅施設・宿泊施設・商業施設など収益不動産の開発・取得による保有資産ポートフォリオ充実、福岡や京都など地方中核都市への展開、新規事業・M&Aによる不動産周辺ビジネス・海外展開への取り組みを積極推進している。
不動産管理事業ではストック型ビジネスとなる管理・賃料収入の拡大を推進する。17年2月には海外からのインバウンド需要を見込んだ多言語対応・長期滞在型「LAホテル京都」をオープンした。さらに第2弾(福岡、18年開業予定)を着工し、第3弾(京都)にも着手している。新規事業では17年1月に合弁会社ラ・アトレペイメントを設立して家賃保証事業に参入した。
多方面の専門的パートナーとの協業を推進し、新規事業・M&Aを含めた不動産周辺ビジネスへの取り組みも強化する。17年6月には独立系投資銀行のストームハーバー証券(東京都)と業務協力に関する覚書を締結した。新たな不動産取得スキームや資金調達手法の考案・構築、不動産プロジェクトへの共同取り組みなどを企図している。
海外では、カンボジアの子会社がプノンペンで、日系上場企業として初となるコンドミニアム開発プロジェクトを推進している。
中期経営目標値には、19年12月期売上高120億円、営業利益12億80百万円、経常利益10億20百万円、純利益7億07百万円を掲げている。なお配当方針については2月14日に変更を発表し、親会社株主帰属当期純利益をベースとした配当性向を「10%以上20%目標」とする利益還元を目指すことを基本方針とした。18年12月期から実施する。
■17年12月期大幅増収増益・増配
17年12月期連結業績は、売上高が16年12月期比74.5%増の82億71百万円、営業利益が2.4倍の8億49百万円、経常利益が2.9倍の6億12百万円、純利益が2.6倍の4億50百万円だった。積極的な事業展開で大幅増収増益だった。配当は1円増配の年間6円(期末一括)で、配当性向は6.4%である。
売上高は不動産販売が76.0%増の76億80百万円(新築不動産販売が2.5倍の47億80百万円、再生不動産販売が20.1%増の29億円)で、不動産管理が55.2%増の5億79百万円ダッタ。売上総利益率は不動産販売が17.6%で1.6ポイント低下(新築不動産販売が16.7%で6.7ポイント低下、再生不動産販売が19.0%で3.2ポイント上昇)、不動産管理が61.5%で2.0ポイント上昇した。
新築不動産販売では、次世代型クリエイティブマンション「LA代々木」、ハイブリッド型シェアハウス「RooF明大前」、分譲マンション「ラ・アトレレジデンス西巣鴨プロジェクト」などの不動産開発が貢献した。再生不動産販売では、1棟リノベーションマンション&プレミアムリノベーションマンション販売が好調だった。不動産管理ではインカムゲイン型事業のポートフォリオ最適化を進め、高齢者住宅施設「ナーシングホームOASIS南」を取得した。海外事業ではカンボジアの高級コンドミニアム開発プロジェクトを推進した。
■18年12月期も大幅増収増益予想、そして連続増配予想
18年12月期の連結業績予想(2月14日公表)は、売上高が17年12月期比31.5%増の108億76百万円、営業利益が22.0%増の10億36百万円、経常利益が30.6%増の8億円、純利益が21.3%増の5億46百万円としている。
積極的な事業展開で大幅増収増益である。なお2月15日には、新宿区内藤町における「ラ・アトレ御苑内藤町グランガーデン」再生プロジェクトに着手したと発表している。
配当予想は6円増配の年間12円(期末一括)とした。連続増配、そして大幅増配予想である。予想配当性向は11.5%となる。
■株主優待制度は年2回、6月末と12月末に実施
株主優待制度は年2回、毎年6月末と12月末を基準日として実施している。1単元(100株)以上~5単元未満保有株主に対してクオカード500円分、5単元以上保有株主に対してクオカード1000円分を贈呈する。
■株価は調整一巡感
株価は2月1日の昨年来高値943円から地合い悪化の影響で反落したが、2月6日の730円から切り返して調整一巡感を強めている。
2月23日の終値793円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS103円96銭で算出)は7~8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.5%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS498円82銭で算出)は1.6倍近辺である。時価総額は約42億円である。
週足チャートで見ると13週移動平均線近辺から切り返してサポートラインを確認した形だ。調整一巡して上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)