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イワキは売り一巡して戻り歩調、18年11月期減益予想だが保守的
- 2018/2/27 07:52
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
イワキ<8095>(東1)は、医薬品・医薬品原料・表面処理薬品などを主力とする専門商社で、メーカー機能も強化している。18年11月期は薬価改定や積極投資の影響で減益予想だが、保守的な印象が強く上振れ余地がありそうだ。株価は売り一巡して戻り歩調だ。
■医薬品・医薬品原料・表面処理薬品などを主力とする専門商社
医薬品・医薬品原料・表面処理薬品などを主力とする専門商社で、岩城製薬(医薬品)やメルテックス(表面処理薬品)のメーカー機能も強化している。
事業区分は医薬・FC(Fine Chemical)事業(医薬品原料の製造・販売、医薬品の製造・販売、体外診断薬・研究用試薬・医療機器の販売)、HBC(Health & Beauty Care)事業(化粧品原料・機能性食品原料の販売、一般用医薬品・関連商品の卸売、化粧品通信販売)、化学品事業(表面処理薬品・電子工業薬品・化成品の製造・販売、表面処理設備の製造・販売)、食品事業(食品原料の製造・販売)としている。
中期的な事業基盤強化と収益拡大に向けて、医薬品事業での共同開発・受託品の拡大、ドラッグストア向けPB商品など自社企画商品の開発強化、医薬品原料事業における市場シェア拡大、海外サプライヤーとの連携強化、岩城製薬の生産能力増強と新製品開発、メルテックスの新製品拡販、海外展開強化などを推進している。
目標数値は、ローリング方式の中期経営計画(18年11月期~20年11月期)では20年11月期売上高650億円、営業利益21億円、ROIC7.0%以上、グループ中長期ビジョンでは売上高1000億円、ROIC10.0%以上を掲げている。
■18年11月期減益予想だが保守的
18年11月期の連結業績予想(1月12日公表)は、売上高が17年11月期比2.8%増の590億円、営業利益が10.9%減の14憶円、経常利益が18.5%減の14憶50百万円、純利益が23.5%減の9億50百万円としている。薬価改定や積極投資の影響で減益予想としているが、保守的な印象が強く上振れ余地がありそうだ。
医薬・FC事業では新分析棟・倉庫を建設し、抗がん剤領域での需要拡大が予想される高活性原薬分野に新規参入する。化学品事業ではクリーンルームを増設し、需要増加に対応して製造能力を増強するとともに、半導体デバイス製造用途向け新製品の開発も推進する。
配当予想は特別配当1円50銭を落として年間6円(第2四半期末3円、期末3円)としている。予想配当性向は20.3%となる。
■株価は売り一巡して戻り歩調
株価は水準を切り下げたが、2月14日の直近安値376円から切り返している。2月26日には448円まで上伸した。売り一巡して戻り歩調だ。
2月26日の終値446円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS29円52銭で算出)は15~16倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間6円で算出)は1.3%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS556円36銭で算出)は0.8倍近辺である。時価総額は約153億円である。
週足チャートで見ると52週移動平均線近辺で下ヒゲを付けて切り返した。戻りを試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)