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松田産業は地合い悪化の影響が一巡して1月高値に接近、18年3月期は2回目の増額修正で大幅増収増益予想
- 2018/2/27 07:50
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
松田産業<7456>(東1)は貴金属関連事業および農林水産品販売事業を展開している。18年3月期第3四半期累計は数量・市況回復で大幅増収増益だった。そして通期予想は2回目の増額修正で大幅増収増益予想である。さらに3回目の増額の可能性がありそうだ。株価は地合い悪化の影響が一巡して1月の昨年来高値に接近している。上値を試す展開が期待される。
■貴金属リサイクルや農林水産品販売を展開
貴金属リサイクル(貴金属事業)や産業廃棄物処理(環境事業)などの貴金属関連事業、および農林水産品を扱う食品関連事業を展開している。17年3月期の売上高構成比は貴金属関連事業63%、食品関連事業37%、営業利益構成比は貴金属関連事業63%、食品関連事業37%だった。収益面では、半導体・電子部品などエレクトロニクス業界の生産動向、貴金属および食品市況の影響を受けやすい特性がある。
貴金属リサイクルは、半導体・電子材料部材・化成品などの貴金属製品をエレクトロニクス業界へ販売するとともに、半導体や電子部品を製造する過程で規格外となった部品(スペックアウト品)などの貴金属含有スクラップを国内外のメーカーから回収・処理・製錬することで、貴金属(金・プラチナ・パラジウムなど)をリサイクルする。
産業廃棄物処理は、写真の感光材料からの銀の回収、廃酸や廃アルカリの無害化中間処理など、産業廃棄物の回収・処理を行っている。無害化処理技術に強みを持ち、全国47都道府県での収集運搬業許可を得ている。
中期経営計画(16~18年度)の目標値は19年3月期売上高2000億円、連結営業利益40億円としている。
■18年3月期3Q累計大幅増収増益
今期(18年3月期)第3四半期累計連結業績は、売上高が前年同期比21.5%増の1465億60百万円、営業利益が95.8%増の40億09百万円、経常利益が77.7%増の43億22百万円、純利益が81.5%増の29億68百万円だった。
貴金属関連事業、食品関連事業とも好調に推移して大幅増収増益だった。売上総利益率は9.6%で0.1ポイント低下、販管費比率は6.8%で1.2ポイント低下した。
貴金属関連事業は23.6%増収、2.3倍増益だった。貴金属リサイクルおよび産業廃棄物処理の取り扱い数量が増加した。金製品および電子材料等の販売量が増加し、貴金属販売価格の上昇も寄与した。食品関連事業は17.9%増収、54.4%増益だった。水産品、畜産品の販売数量が増加した。
■18年3月期通期は2回目の増額修正で大幅増収増益予想
今期(18年3月期)の連結業績予想(2月9日に2回目の増額修正)は、売上高を30億円増額して前期(17年3月期)比18.4%増の1930億円、営業利益を8億円増額して62.1%増の48億円、経常利益を8億円増額して50.3%増の52億円、純利益を5億80百万円増額して45.0%増の35億60百万円とした。貴金属価格の上昇が寄与する。
配当予想は据え置いて、前期と同額の年間28円(第2四半期末14円、期末14円)としている。予想配当性向は20.7%となる。
修正後の通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75.9%、営業利益が83.5%、経常利益が83.1%、純利益が83.4%と高水準である。通期予想は3回目の増額の可能性がありそうだ。
■株主優待制度は毎年3月末に実施、対象は継続1年以上保有株主
株主優待制度は毎年3月31日現在、1単元(100株)以上を継続1年以上保有する国内在住株主を対象として株主優待品を贈呈する。17年3月期末から対象を変更した。
■株価は地合い悪化の影響が一巡して1月高値に接近
株価は地合い悪化の影響が一巡して2月26日には2033円まで上伸した。そして1月の昨年来高値2116円に接近している。
2月26日の終値2006円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS135円19銭で算出)は14~15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間28円で算出)は1.4%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2027円45銭で算出)は1.0倍近辺である。時価総額は約580億円である。
週足チャートで見ると26週移動平均線近辺から切り返してサポートラインを確認した形だ。好業績を評価して上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)