【新規上場(IPO)銘柄】オプティマスグループは悪材料織り込みへ、2000円どころが底値圏
- 2018/3/1 06:17
- 株式評論家の視点
オプティマスグループ<9268>(東2)は、昨年12月26日に東京証券取引所市場第二部に上場。同社グループは、自動車にかかわる「貿易事業」「物流事業」「サービス事業」および「検査事業」を営む複数の企業が、2015年1月に純粋持株会社である同社(株式会社オプティマスグループ)を設立することで発足。海外ディーラー向け中古自動車輸出に係る、貿易、物流、金融・サービス、検査・検疫などの幅広いサービスを総合的に提供しており、現在ニュージーランドを中心に世界に幅広く事業を展開している。
貿易事業では、日本国内においてオークションによって仕入れた中古自動車を、海外に輸出し、現地のディーラー(自動車販売事業者)に卸売りを行っている。日本での仕入れから、顧客への販売まで同一の専門スタッフが担当するため、現地の細かいニーズを的確に捉えているほか、専門スタッフがオークション会場で直接状態を確認した上で落札するため、適切な品質の中古自動車を適正な価格で仕入れている。また、現地スタッフによるフォロー体制も充実しているため、顧客に対して満足度の高いサービスの提供を可能にしている。物流事業では、非船舶運航事業およびこれに付随する事業を行っている。サービス事業では、ディーラーに対する債権の回収事業や、ニュージーランドにおける一般消費者向けの自動車ローン事業、レンタカー事業、潤滑油の販売事業などを展開している。検査事業では、日本における中古自動車の船積前検査業務や、輸出先であるニュージーランドにおいて輸入車検及び同国での国内車検を中心に行っている。
今18年3月期第3四半期業績実績は、売上高197億2700万円、 営業利益11億9200万円、経常利益13億1600万円、純利益8億4400万円に着地。
今18年3月期業績予想は、売上高256億7200万円(前期比5.2%減)、営業利益15億8800万円(同0.8%増)、経常利益16億9600万円(同12.8%減)、純利益10億7800万円(同21.1%減)を見込む。年間配当予想は、未定としている。
株価は、上場初日の12月26日に公開価格1800円を11.2%上回る2001円で初値をつけ、同28日高値3100円まで上昇した後、2月6日安値2065円と下げてモミ合っている。2月6日にニュージーランドのオークランドに入港した日本発の自動車運搬船において、カメムシ (害虫指定のクサギカメムシ)が発見されたことから、同日以降、同国での車両の荷揚げが制限されており、現在、同国の関係省庁が薬剤散布等の駆除対策の強化を検討中で、同国の対策が確定して対応が円滑に行われるようになれば、同国における同社グループの業務は通常の状態に戻る見込み。現時点では運送計画に2,000台程度の遅れが生じており、今3月期業績予想への影響については現在精査中としており、わかり次第、明らかにする予定。2000円どころに突っ込む場面があれば、悪材料を織り込むことが想定されることから、底値買い好機と捉えられそうだ。(株式評論家・信濃川)