【株式評論家の視点】夢真ホールディングスは2020年をまたぐプロジェクトに期待感、下押す場面は買い妙味膨らむ
- 2018/3/2 06:38
- 株式評論家の視点
夢真ホールディングス<2362>(JQS)は、建築技術者派遣事業、エンジニア派遣事業、教育関連事業、IT関連事業、その他事業を営んでいる。建築技術者派遣事業では、建築現場への施工管理技術者派遣やCADオペレーター派遣を行っている。エンジニア派遣事業では、製造、IT業界へのエンジニア派遣を行っている。教育関連事業では、ハイクラスITエンジニアの育成、建設IT技術者の育成、建設関連国家資格の取得対策講座を行っている。IT関連事業では、建設業界へのITサービス、ベトナムでのオフショア開発、ビッグデータプラットフォームの提供を行っている。その他事業では、建設業及び製造業への人材紹介、フィリピン現地人材への日本語教育、ベトナム現地人材の採用支援業務を行っている。
2020年9月期を最終年度とする3か年の中期経営計画では、2020年9月までに建築技術者6,200人、製造業・IT業界向けエンジニア4,600人とし、あわせてグループ技術者数10,000人超を目指し、売上高600億円、営業利益79億円を計画している。特に、建築技術者派遣事業では、2020年の東京オリンピック・パラリンピック後の需要が心配されているが、リニア中央新幹線の開通工事や、首都圏では渋谷や品川の大規模再開発、虎ノ門の東京ワールドゲート建築工事など、2020年をまたぐプロジェクトが相当数出てきており、2020年以降の需要を心配するというよりも、M&Aによる規模拡大を推し進める考え。
2月8日に発表した今2018年9月期第1四半期業績実績は、売上高94億1100万円(前年同期比34.5%増)、営業利益12億3200万円(同90.8%増)、経常利益12億0400万円(同66.3%増)、純利益9億5700万円(同2.2倍)に着地。技術者の増員に起因した建築技術者派遣及びエンジニア派遣事業が伸長、建築技術者派遣事業で派遣単価が上昇したことに加え、採用費をはじめとしたコストのコントロールを徹底したことが寄与。30四半期連続増収、大幅増益と順調に推移している。
今18年9月期業績予想は、売上高390億円(前期比27.8%増)、営業利益45億円(同90.5%増)、経常利益45億円(同85.7%増)、純利益29億円(同2.0倍)と最高益更新を見込む。年間配当予想は、35円(第2四半期末15円、期末20円)継続を予定としている。
株価は、昨年6月16日の昨年来安値705円を底に本年2月2日高値1347円と上昇。同22日に昨年来の高値1353円と買い直された後、モミ合っている。2月15日大引け後に発表した1月度の月次速報では、建築技術者派事業の売上高が23億3100万円(前年同月比33%増)、営業利益が4億1100万円(同2.0倍)と大幅増益と第2四半期に入っても業績は好調で、10月~1月累計の営業利益は通期業績予想に対する進捗率が37.8%と順調に推移している。中長期では、2020年をまたぐプロジェクトに対する期待感を背景に成長が続く見通し。サポートラインである75日移動平均線前後まで下押す場面があれば、買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)