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トーソーは戻り歩調、18年3月期予想に上振れ余地、低PBRも見直し
- 2018/3/7 07:08
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
トーソー<5956>(東2)はカーテンレールやインテリアブラインドの大手である。室内装飾関連事業を主力に介護用品事業も展開している。18年3月期減益予想だが上振れ余地がありそうだ。株価は地合い悪化の売りが一巡して戻り歩調だ。低PBRも見直し材料だろう。
■カーテンレール・インテリアブラインドの大手
カーテンレールやインテリアブラインドの大手で、国内市場シェアはカーテンレールが約50%、ブラインドが約15%である。
室内装飾関連事業(カーテンレール類、ブラインド類、間仕切類)を主力として、介護用品事業(ステッキなど)も展開している。17年3月期の事業別売上高構成比は室内装飾関連事業が98.5%(カーテンレール類が約47%、ブラインド類が約42%、間仕切類が約2%、その他が約8%)で、介護関連用品などのその他事業が1.5%だった。収益面では、新設住宅着工件数やリニューアルなど住宅関連市場の影響を受け、第4四半期の構成比が高い特性がある。
中期成長戦略では「窓辺の総合インテリアメーカー」として、高付加価値商品の拡販、インテリアトレンドに合わせた特長ある商品や省エネ・節電対応など新商品開発のスピードアップ、コスト競争力の強化、ホテルや商業施設など非住宅分野における需要の取り込み、大型物件の獲得や新興国の消費需要取り込みによる海外売上高の拡大、新規領域としての介護用品事業の拡大などの施策を強化している。
■18年3月期減益予想だが上振れ余地
18年3月期連結業績予想は、売上高が17年3月期比2.3%増の230億円、営業利益が29.5%減の7億10百万円、経常利益が30.0%減の7億円、純利益が38.8%減の4億30百万円としている。配当予想は、前期から特別配当2円を落として年間10円(第2四半期末5円、期末5円)としている。予想配当性向は24.3%となる。
高付加価値型新製品の提案やプロモーション活動を積極的に推進し、原価低減活動も推進するが、新設住宅着工戸数の減少を見込み、大幅増益だった前期の反動などで減益予想としている。
第3四半期累計は、売上高が前年同期比0.3%増の163億06百万円、営業利益が0.4%減の5億33百万円、経常利益が1.6%増の5億41百万円、純利益が10.4%減の3億40百万円だった。
概ね横ばいだった。売上総利益率は41.2%で0.5ポイント低下、販管費比率は37.9%で0.5ポイント低下した。純利益は前期計上した厚生年金基金解散損失引当金戻入額の剥落が影響した。
セグメント別に見ると、室内装飾関連事業は売上高が0.3%増の160億48百万円で営業利益が2.1%減の5億14百万円、その他は売上高が1.9%増の2億57百万円で営業利益が84.8%増の19百万円だった。
通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が70.9%、営業利益が75.1%、経常利益が77.3%、純利益が79.1%と順調である。第4四半期の構成比が高い特性を考慮すれば通期予想に上振れ余地がありそうだ。
■株価は地合い悪化の売りが一巡して戻り歩調、低PBRも見直し
株価は98年来となる1月高値720円から地合い悪化で反落したが、2月6日の直近安値570円から切り返して660円近辺まで上伸している。地合い悪化の売りが一巡して戻り歩調だ。
3月6日の終値653円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS41円07銭で算出)は15~16倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は1.5%近辺、そして前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1109円29銭で算出)は0.6倍近辺である。時価総額は約72億円である。
週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。低PBRも見直して上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)