■18年12月期減益予想だが上振れ余地、稼ぐ力は着実に伸長
FPD(フラットパネルディスプレイ)用ガラス基板を主力として、電子部品、ガラス繊維、医薬・耐熱・建築分野のガラスなども展開している。
18年12月期連結業績予想は売上高が17年12月期比6.2%増の3000億円、営業利益が3.7%減の310億円、経常利益が15.0%減の290億円、純利益が26.4%減の200億円としている。想定為替レートは1ドル=110円、1ユーロ=130円である。
ディスプレイの価格低下圧力、原燃料価格の上昇圧力、米国ガラス繊維事業取得や中国・厦門2期稼働に伴う減価償却費の増加(17年12月期287億円から63億円増加の約350億円を想定)、中国・厦門2期稼働に伴う人件費の増加などで減益予想としている。
ただし主力のディスプレイの需要が好調に推移し、自動車用を中心とするガラス繊維も伸長して増収基調に変化はない。そして簡便法によるEBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却)率は22.7%で1.1ポイント上昇する見込みだ。減価償却費の増加を除けば実質営業増益予想で、稼ぐ力は着実に伸長している。また需要が高水準であることを考慮すれば、会社予想に上振れ余地がありそうだ。
配当予想は年間100円(第2四半期末50円、期末50円)としている。17年7月1日付株式併合(5株を1株に併合)を考慮して17年12月期(第2四半期末8円、期末50円)を年間90円に換算すると、18年12月期は17年12月期比10円増配となる。
■株価は売られ過ぎ感
株価は18年12月期減益予想を嫌気した売りが続いているが、売られ過ぎ感を強めている。3月7日の終値は3020円、今期予想PERは約15倍、前期実績PBRは約0.6倍、時価総額は約3006億円である。
日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が10%以上に拡大している。また指標面の割安感も強めている。売り一巡して反発が期待される。(MM)