【注目銘柄】日本電気硝子は売られ過ぎ感、18年12月期減益予想だが上振れ余地、稼ぐ力は着実に伸長

注目銘柄
 日本電気硝子<5214>(東1)に注目したい。FPD用ガラスの大手である。18年12月期は減価償却の増加で減益予想だが、増配予想である。需要が高水準に推移して利益に上振れ余地がありそうだ。また稼ぐ力は着実に伸長しており、中期的な収益拡大も期待される。株価は減益予想を嫌気した売りが続いているが売られ過ぎ感を強めている。売り一巡して反発が期待される。

■18年12月期減益予想だが上振れ余地、稼ぐ力は着実に伸長

 FPD(フラットパネルディスプレイ)用ガラス基板を主力として、電子部品、ガラス繊維、医薬・耐熱・建築分野のガラスなども展開している。

 18年12月期連結業績予想は売上高が17年12月期比6.2%増の3000億円、営業利益が3.7%減の310億円、経常利益が15.0%減の290億円、純利益が26.4%減の200億円としている。想定為替レートは1ドル=110円、1ユーロ=130円である。

 ディスプレイの価格低下圧力、原燃料価格の上昇圧力、米国ガラス繊維事業取得や中国・厦門2期稼働に伴う減価償却費の増加(17年12月期287億円から63億円増加の約350億円を想定)、中国・厦門2期稼働に伴う人件費の増加などで減益予想としている。

 ただし主力のディスプレイの需要が好調に推移し、自動車用を中心とするガラス繊維も伸長して増収基調に変化はない。そして簡便法によるEBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却)率は22.7%で1.1ポイント上昇する見込みだ。減価償却費の増加を除けば実質営業増益予想で、稼ぐ力は着実に伸長している。また需要が高水準であることを考慮すれば、会社予想に上振れ余地がありそうだ。

 配当予想は年間100円(第2四半期末50円、期末50円)としている。17年7月1日付株式併合(5株を1株に併合)を考慮して17年12月期(第2四半期末8円、期末50円)を年間90円に換算すると、18年12月期は17年12月期比10円増配となる。

■株価は売られ過ぎ感

 株価は18年12月期減益予想を嫌気した売りが続いているが、売られ過ぎ感を強めている。3月7日の終値は3020円、今期予想PERは約15倍、前期実績PBRは約0.6倍、時価総額は約3006億円である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が10%以上に拡大している。また指標面の割安感も強めている。売り一巡して反発が期待される。(MM)

 

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■シスルナ経済圏構築に向け、グローバルなパートナーシップを強化  ispace(アイスペース)<9…
  2. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
  3. ■物価高・人手不足が直撃、倒産件数29カ月連続で増加  帝国データバンクの調査によると、倒産件数が…
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ピックアップ記事

  1. ■化粧品大手は業績下方修正も、電鉄各社は上方修正で活況  トランプ次期大統領の影響を受けない純内需…
  2. どう見るこの相場
    ■金利敏感株の次は円安メリット株?!インバウンド関連株に「トランプ・トレード」ローテーション  米…
  3. ■金利上昇追い風に地銀株が躍進、政策期待も後押し  金利上昇の影響を受けて銀行株、特に地方銀行株の…
  4. ■トリプルセット行、ダブルセット行も相次ぐ地銀銀株は決算プレイで「トランプトレード」へキャッチアップ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る