【株式評論家の視点】テモナは電子商取引市場の拡大で収益機会が拡がる、下値固めから上値を試すか注目
- 2018/3/13 06:29
- 株式評論家の視点
テモナ<3985>(東マ)は、昨年4月6日に東京証券取引所マザーズに上場。同社では、「たまごリピート」と「ヒキアゲール」という2つのサービスによって、WEB上での“定期販売” と“接客” をサポートしている。“集客” を行うためのメディアや、IoT 技術を活用した“消費・利用” シーンでのアフターフォロー&アプローチのサービスを立ち上げを計画している。集客、接客、販売、アフターフォローと、ビジネスの川上から川下まですべての領域で軸となるサービスをつくり、各領域では軸を起点にサービスを拡大させ、水平と垂直2つの方向で事業を拡大。そうしてリピーターをつくるために必要なサービスをワンストップで提供できるプラットフォームを作り上げることを中長期的な計画として進めている。
同社では「ビジネスと暮らしを”てもなく”する」という理念に基づき、 ストック型のビジネスモデルをより普及させるため、「たまごリピート」の販売に注力し、サブスクリプションビジネスに特化したEC支援企業としての地位確立を目指している。 具体的な内容としては、重要な経営指標であるサービス利用アカウント数の増加への取り組みを組織横断的に推進することで、解約の低減と新規アカウントの獲得に尽力している。 解約の低減ではサポート体制の強化を推進し、これまでの電話サポートや勉強会に加えて既存顧客の成長支援を目的としたコンサルティング活動の強化を行っている。 新規アカウントの獲得では新販売代理店制度に基づいた販売網の拡大を進め、パートナー企業との協力体制の強化を行っているほか、操作性の向上と大規模かつ様々な運用を行うEC事業者の需要に応えるため、新サービスの開発に注力している。
今2018年9月期業績実績は、売上高が3億0500万円(前年同期比23.7%増)、営業利益が1億1500万円(同2.2倍)、経常利益が1億1500万円(同2.3倍倍)、純利益が8100万円(同2.4倍)に着地。
今18年9月期業績予想は、売上高12億0300万円(前期比10.1%増)、営業利益2億7100万円(同2.5%増)、経常利益2億9000万円(同11.7%増)、純利益2億1700万円(同31.5%増)を見込む。創業以来10年連続の増収を予想。利益面でも3年連続の増益で、売上高経常利益率は24.1%を見込んでいる。
株価は、2月6日につけた上場来の安値4920円を底に3月6日に上場来の高値1万0220円と上昇。高値圏でモミ合っている。消費者向け電子商取引(BtoC-EC)市場は「平成28年度我が国経済社会の情報化・ サービス化に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」によれば、日本のBtoC-EC市場は右肩上がりで成長、2016年の市場規模は前年比9.9%増の15.1兆円、ECの普及率を示す指標であるEC化率は5.43%で、今後も継続的な拡大が観測されており、同社の収益機会が拡がり高い成長が期待されている。下値固めから上値を試すか注目されそうだ。(株式評論家・信濃川)