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クリナップは売り一巡して切り返し、18年3月期減益予想だが19年3月期の収益改善期待
- 2018/3/14 06:18
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
クリナップ<7955>(東1)はシステムキッチンの大手で、システムバスルームも展開している。18年3月期はリフォーム市場の低迷などで減収減益予想だが、19年3月期の収益改善を期待したい。株価は売り一巡して切り返しの動きを強めている。18年3月期減収減益予想の織り込みは完了しているだろう。低PBRも見直して反発が期待される。
■システムキッチンの大手でシステムバスルームも展開
システムキッチンの大手である。厨房部門(システムキッチン)を主力として、浴槽・洗面部門(システムバスルーム・洗面化粧台)も展開している。なお収益は新設住宅着工件数やリフォーム需要の影響を受けやすい特性がある。
17年3月期の部門別売上高構成比は厨房部門79%、浴槽・洗面部門16%、その他5%、販売ルート別売上高構成比(単体ベース)は一般ルート(工務店・リフォーム)79%、ハウスメーカー16%、直需(マンション)5%だった。
中期経営計画では「ザ・キッチンカンパニー」の確立を目指し、重点施策として中高級品の販売強化、リフォーム市場で競争優位となる商品の開発、ショールームを核とした販売戦略の推進、サプライチェーン全体での原価低減活動の強化、設備投資およびコストの最適化などを推進している。
■18年3月期は減収減益予想だが上振れ余地、19年3月期の収益改善期待
18年3月期連結業績予想(11月1日に売上高、利益とも減額修正)は、売上高が17年3月期比3.0%減の1103億円、営業利益が29.6%減の14億円、経常利益が27.6%減の13億円、純利益が47.7%減の7億円としている。配当予想は前期と同額の年間20円(第2四半期末10円、期末10円)で、予想配当性向は104.5%となる。
第3四半期累計は売上高が前年同期比6.3%減の810億23百万円、営業利益が43.7%減の14億20百万円、経常利益が38.1%減の14億65百万円、純利益が40.7%減の10億47百万円だった。新設住宅着工戸数の伸び鈍化、リフォーム市場の低迷で減収減益だった。
通期ベースではシステムキッチン「S.S.」「クリンレディ」や、17年9月新発売したシステムバスルーム「ユアシス」など中心に拡販を強化し、原価低減の推進にも努めるとしている。また18年2月にシステムキッチン「CENTRO」および洗面化粧台「TIARIS」の新発売を予定している。
通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は、売上高が73.5%、営業利益が101.4%、経常利益が112.7%、純利益が149.6%で、各利益は通期会社予想を超過達成している。通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。さらに19年3月期の収益改善を期待したい。
■株価は売り一巡して切り返し
株価は1月の戻り高値圏900円台から反落して水準を切り下げたが、売り一巡して3月5日の直近安値797円から切り返しの動きを強めている。18年3月期減収減益予想の織り込みは完了しているだろう。
3月13日の終値830円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS19円13銭で算出)は43~44倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は2.4%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1437円82銭で算出)は0.6倍近辺である。時価総額は約311億円である。
週足チャートで見ると17年4月の昨年来安値780円を割り込まずに切り返している。800円近辺が下値支持線の形となった。0.6倍近辺の低PBRも見直して反発が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)