- Home
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
- 立花エレテックは高値圏モミ合い煮詰まり感、18年3月期増収増益・増配予想で株主優待制度導入
立花エレテックは高値圏モミ合い煮詰まり感、18年3月期増収増益・増配予想で株主優待制度導入
- 2018/3/20 06:35
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
立花エレテック<8159>(東1)は産業用機器・電子部品などを扱う技術商社である。需要が高水準に推移して18年3月期増収増益・増配予想である。そして株主優待制度を18年3月期末から導入する。株価は上場来高値圏で堅調だ。そしてモミ合い煮詰まり感を強めている。上値を試す展開が期待される。
■産業用機器・電子部品を扱う技術商社
産業用機器・電子部品などを扱う技術商社である。仕入先は三菱電機<6503>および三菱電機グループが合計で約7割を占め、外資系半導体メーカー、ルネサスエレクトロニクス<6723>が続いている。M&Aも積極活用して国内外で業容を拡大している。海外は子会社8社合計14拠点で、中国および東南アジアに展開している。
17年3月期のセグメント別売上高構成比(18年3月期からの新セグメントに組み替え後)は、FAシステム事業59%(FA機器39%、FAシステムソリューション9%、産業メカトロニクス4%、産業デバイスコンポーネント7%)、半導体デバイス事業(半導体、電子デバイス)30%、施設事業(空調機器、LED照明、太陽光発電システム、昇降機)9%、その他(MS事業・他)4%だった。MS(マニュファクチャリング・サービス)事業は、金属加工の製造受託(MMS)と電子機器の製造受託(EMS)を統合した事業である。海外事業売上比率は13.9%だった。
収益面では全体として企業の設備投資動向が影響し、第2四半期(7~9月)および第4四半期(1~3月)の構成比が高くなる季節特性もある。
技術商社の強みを活かして海外ビジネスの拡大、グループシナジーの追求、事業領域の拡大、営業力強化と体質改善を推進している。6ヶ年中長期経営計画「C.C.J2200」では、2021年の創立100周年を見据えて確固たる基盤を持った電機・電子の一大技術商社を目指し、目標数値に21年3月期連結売上高2200億円(単体1400億円、国内子会社460億円、海外子会社440億円、消去100億円)、連結営業利益75億円を掲げている。
■18年3月期増収増益・増配予想
18年3月期の連結業績予想(12月28日に増額修正)は、売上高が17年3月期比7.4%増の1720億円で、営業利益が14.1%増の59億円、経常利益が16.1%増の62億円、純利益が9.1%増の42億50百万円としている。
配当予想(12月28日に増額修正)は6円増配の年間34円(第2四半期末16円、期末18円)としている。予想配当性向は20.2%となる。
第3四半期累計は売上高が前年同期比14.2%増の1297億57百万円、営業利益が27.4%増の44億27百万円、経常利益が26.5%増の47億07百万円、純利益が20.2%増の32億19百万円だった。
世界的な半導体業界の好調を背景に、半導体デバイス事業が大幅伸長した。また半導体・液晶製造装置関連および自動車関連の設備投資需要を背景に、主力のFAシステム事業も好調に推移した。売上総利益率は13.1%で0.2ポイント低下、販管費比率は9.7%で0.5ポイント低下した。
FAシステムは12.7%増収、35.4%増益、半導体デバイス事業は20.0%増収、19.6%増益だった。施設事業は12.8%増収だが、利益率の高い物件が減少して80.9%減益だった。その他は9.5%減収で、営業利益は赤字だった。EMS分野の大口案件終息が影響した。
通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75.4%、営業利益が75.0%、経常利益が75.9%、純利益が75.7%と順調である。通期ベースでも好業績が期待される。
■株主優待制度を18年3月期末から導入
なお株主優待制度を18年3月期末から実施する。毎年3月31日現在の100株(1単元)以上保有株主を対象として、継続保有期間および保有株式数に応じてクオカードを贈呈する。
■株価は上場来高値圏で堅調
株価は上場来高値圏で堅調に推移している。3月15日には2300円まで上伸した。
3月19日の終値2207円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS168円39銭で算出)は13~14倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間34円で算出)は1.5%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2361円12銭で算出)は0.9倍近辺である。時価総額は約574億円である。
週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインだ。そしてモミ合い煮詰まり感を強めている。好業績を評価して上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)