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日本エンタープライズは底打ち感、中期成長に向けて事業ポートフォリオ再構築
- 2018/3/22 06:19
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
日本エンタープライズ<4829>(東1)は、店頭アフィリエイトサービス事業譲渡も影響して18年5月期減収・営業減益予想だが、中期成長に向けて事業ポートフォリオ再構築を推進している。EC分野やM2M/IoT分野へ事業領域を拡大する戦略だ。株価は2月の昨年来安値圏から切り返して底打ち感を強めている。なお3月30日に第3四半期決算発表を予定している。
■コンテンツサービス事業とソリューション事業を展開
自社サービスのクリエーション事業(交通情報、ライフスタイル、エンターテインメントなどのモバイルコンテンツをキャリアの定額制サービスで配信するコンテンツサービス、およびビジネスサポートサービス、太陽光発電など)と、受託サービスのソリューション事業(システム受託開発・運用サービス、店頭アフィリエイトを中心とした広告代理サービス、海外サービスなど)を展開している。
事業ポートフォリオ再構築で18年2月、店頭アフィリエイトサービス事業をテレステーションに譲渡した。中期成長に向けてM&A・アライアンスも積極活用し、ネイティブアプリの開発力強化、ゲームコンテンツ市場への本格参入、法人向け業務支援サービスの早期収益化、成長分野のM2M/IoTへの事業領域拡大などを推進する。
重点戦略としては、ヘルスケアアプリ「女性のリズム手帳」、総合電子書籍サービス「BOOKSMART」、フリマアプリ「Dealing」、道路・渋滞情報サービス「交通情報サービス」、メッセンジャーアプリ「Fivetalk」、クーポンアプリ「振ってクーポン」の6つのコンテンツプラットフォームを核としてサービス連携・拡充を推進する。
18年2月には子会社の会津ラボとエナリス<6079>が、福島県の再生可能エネルギー関連技術実証支援事業の一環として、ブロックチェーンと「SMART PLUG」を活用した「高齢者見守りサービス」の実証試験を開始した。
3月16日には子会社の会津ラボが、福島県の「自動運転に係る情報基盤の構築およびまちなか巡回車両の実用化に向けた実証実験」第2期の申請に向けて、福島トヨペットと協業すると発表した。
■18年5月期減収・営業減益予想
18年5月期の連結業績予想(1月31日に売上高、営業利益、経常利益を減額修正、純利益を増額修正)は、売上高が17年5月期比16.5%減の40億40百万円で、営業利益が24.5%減の1億45百万円、経常利益が横ばいの2億30百万円、純利益が11.1%増の1億10百万円としている。配当予想は17年5月期と同額の年間2円(期末一括)としている。予想配当性向は73.8%となる。
キャリアプラットフォーム向けコンテンツ市場の縮小、豊洲市場への移転延期に伴う鮮魚EC「いなせり」への影響、中国における携帯電話販売の不採算販売抑制の影響、さらに店頭アフィリエイトサービスの事業譲渡などで売上高が計画を下回る。減収による売上総利益の減少で営業利益は減益見込みである。なお営業外での補助金収入の増加で経常利益は横ばい、店頭アフィリエイトサービスの事業譲渡益1億43百万円の計上で純利益は増益見込みである。
■株価は底打ち感
株価は2月の昨年来安値206円から切り返して底打ち感を強めている。
3月20日の終値229円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS2円71銭で算出)は85倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間2円で算出)は0.9%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS122円14銭で算出)は1.9倍近辺である。時価総額は約93億円である。
週足チャートで見ると2月安値圏で長い下ヒゲを付けて切り返し、13週移動平均線突破の動きを強めている。出直りが期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)