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フライトホールディングスは底打ちして基調転換、電子決済ソリューションが牽引して中期収益拡大期待
- 2018/3/23 06:36
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
フライトホールディングス<3753>(東2)は、電子決済ソリューションなどのサービス事業を主力としている。大型案件の後ろ倒しで18年3月期は減収減益予想だが、中期的には電子決済ソリューションが牽引して収益拡大が期待される。株価は底打ちして基調転換の動きを強めている。出直りが期待される。
■システム開発や電子決済ソリューションなどを展開
傘下のフライトシステムコンサルティングがシステム開発・保守などのコンサルティング&ソリューション(C&S)事業、および電子決済ソリューションなどのサービス事業、イーシー・ライダーがB2B向けECサイト構築パッケージなどのECソリューション事業を展開している。
17年3月期のセグメント別売上高構成比は、C&S事業が23%、サービス事業が74%、ECソリューション事業が3%だった。収益面ではサービス事業における大型案件によって変動する特性が強い。
■C&S事業はPepper関連を強化
C&S事業では、ソフトバンクロボティクスの人型ロボットPepperの法人モデル「Pepper for Biz」に関して、17年2月新サービスとしてコンテンツマネージメントソリューション「Scenaria」をジエナ社と共同開発した。そしてロボアプリ開発者を支援する「Pepperパートナープログラム」において「ロボパートナー」認定を取得している。またソフトバンクと日本IBMが共同で行う「IBM Watson エコシステムプログラム」に参画し、ビジネスおよびテクノロジーパートナーに選定されている。
17年11月にはAIとロボットを医療で活用するため、東京慈恵医科大学先端医療情報技術研究講座およびジェナ社と、医療機関で「Pepper」を使ったコミュニケーションシステムに関する共同研究を行うと発表した。
■電子決済ソリューションはマルチ決済端末など展開
電子決済ソリューション事業では、スマートデバイス決済専用マルチ電子決済端末「incredist」と、スマートデバイス決済専用アプリ「ペイメント・マイスター」を展開し、電子決済事業に関して複数暗号鍵の切り替えに関する特許、無線を使った複数機器の設定に関する特許、複数加盟店の切り替えに関する特許を取得している。
スマートデバイス決済専用アプリ「ペイメント・マイスター」は、iPhoneやiPadをクレジットカード決済端末に利用する大企業向け国内初のBtoB決済ソリューションである。10年9月に提供開始し、高級ホテル・レストラン・観光タクシー・旅行代理店など幅広い業種に導入されている。
16年3月にはスマートデバイス決済専用マルチ電子決済端末の新製品「incredist premium(インクレディスト・プレミアム)」を販売開始した。磁気クレジットカード、接触型ICクレジットカード(EMV)、非接触型ICクレジットカード(コンタクトレスEMV)、および日本独自の電子マネーに対応した決済端末である。
16年12月にはMastercard、VISA、AmericanExpressのコンタクトレスEMV(ICカード国際規格EMV技術を用いた非接触IC決済対応のクレジットカード)に関するブランド認定を取得、17年5月にはJCBのコンタクトレスEMVのブランド認定を取得、17年6月にはDiscoverのコンタクトレスEMVのブランド認定を取得、中国銀聯のコンタクトレスEMVのブランド認定を取得した。
3月5日には据置型マルチ決済装置「incredist Trinity(インクレディスト・トリニティ)」を開発し、18年7月から出荷開始すると発表した。注目されている非接触型ICクレジットカード(コンタクトレスEMV)にも1台で対応できるマルチ決済装置である。
■18年3月期は大型案件の後ろ倒しで減収減益予想
18年3月期の連結業績予想(2月8日に減額修正)は、売上高が17年3月期比33.4%減の21億円、営業利益が5百万円(17年3月期は5億90百万円)、経常利益が0百万円(同5億70百万円)、純利益が0百万円(同4億07百万円)としている。
多機能モバイル決済端末「incredist」の導入および周辺機器に係る数件の大口案件が、顧客のプロジェクト進捗の都合により、本格導入が19年3月期に後ろ倒しとなった。ただし中期的には電子決済ソリューションが牽引して収益拡大が期待される。
■株価は底打ちして基調転換の動き
株価は2月安値570円から切り返し、底打ちして基調転換の動きを強めている。3月22日には864円まで急伸する場面があった。3月22日の終値は812円、時価総額は約77億円である。
週足チャートで見ると戻りを押さえていた26週移動平均線を突破した。また13週移動平均線が上向きに転じて先高観を強めている。出直りが期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)