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ジェイテックはクラウドサービスを材料視して急動意、19年3月期収益改善期待
- 2018/4/2 06:43
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ジェイテック<2479>(JQ)は技術者派遣の「技術商社」を標榜し、技術職知財リース事業を展開している。18年3月期は採用コスト増加で減益予想だが、技術者派遣の需要は高水準である。19年3月期の収益改善を期待したい。株価はクラウドサービス販売開始を材料視して急動意の展開だ。
■技術者派遣の「技術職知財リース事業」が主力
製造業の開発・設計部門に技術者を派遣する「技術職知財リース事業」を主力としている。専門教育による知識を基盤として、新たな付加価値を顧客に提供する社員を「テクノロジスト」と呼称し、一般的なエンジニアと区別していることが特徴だ。そして「技術商社」を標榜し、テクノロジストが保有する知恵を提供(リース)することで、顧客とともに新たな価値を創造する「技術職知財リース事業」としている。
機械設計開発、電気・電子設計開発、ソフトウェア開発、建築設計の4分野を柱としている。上位10社の顧客企業の売上構成比は46.3%である。LIXIL、本田技術研究所、ヤマハ発動機、デンソーテクノ、三菱日立パワーシステムズ、富士通テンなど幅広い業種の優良企業との取引がある。特定の業界・企業への依存度を低くして、業種別・顧客別売上構成比のバランスを維持していることも特徴だ。
なお18年3月30日付で連結子会社のジェイテックアドバンストテクノロジとジェイテックビジネスサポートが合併(存続会社はジェイテックアドバンストテクノロジ)した。
3月16日には、派遣社員の勤怠状況をインターネットを通じて管理するクラウドサービス「staff-one」の販売を開始した。
■18年3月期減益予想だが19年3月期の収益改善期待
18年3月期の連結業績予想は、売上高が17年3月期比2.9%増の34億28百万円、営業利益が17.6%減の1億02百万円、経常利益が18.0%減の1億01百万円、純利益が20.7%減の71百万円としている。配当予想は記念配当を落として1円減配の年間1円(期末一括)としている。予想配当性向は12.1%となる。
第3四半期累計は、売上高が前年同期比8.5%減の22億93百万円、営業利益が23.2%減の50百万円、経常利益が24.1%減の49百万円、そして純利益が8.0%減の46百万円だった。
セグメント別売上高は、技術職知財リース事業が7.4%減の21億87百万円、一般派遣およびエンジニアリング派遣事業が22.2%減の1億13百万円だった。計画どおりのテクノロジスト確保が厳しく、人材不足の影響で減収減益だった。ただし稼働率は前年同期と同水準であり、契約単価は上昇した。
通期も採用コストの増加などで減益予想だが、技術者派遣の需要は高水準である。19年3月期の収益改善を期待したい。中期経営計画では経営目標値に20年3月期売上高36億37百万円、営業利益1億11百万円、経常利益1億10百万円、純利益83百万円を掲げている。人材確保が課題だが中期的に事業環境は良好だろう。
■株価はクラウドサービスを材料視して急動意
株価は安値圏200円近辺でモミ合う形だったが、3月16日発表したクラウドサービス販売開始を材料視して急動意の展開となった。3月27日には332円まで上伸した。
3月30日の終値259円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS8円29銭で算出)は31~32倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間1円で算出)は0.4%近辺、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS93円79銭で算出)は2.8倍近辺である。時価総額は約22億円である。
週足チャートで見ると、高値圏で長い上ヒゲを付けたが、13週移動平均線に続いて26週移動平均線も上向きに転じた。さらに13週移動平均線が26週移動平均線を上抜くゴールデンクロスが接近している。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)