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JFEシステムズは売られ過ぎ感、18年3月期7期連続増収・営業増益予想で19年3月期も収益拡大期待
- 2018/4/2 06:29
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
JFEシステムズ<4832>(東2)はJFEグループの情報システム会社である。JFEスチール製鉄所システムなど需要が高水準に推移して、18年3月期は7期連続増収・営業増益予想である。19年3月期も収益拡大を期待したい。株価はモミ合いから下放れて急落したが売られ過ぎ感を強めている。なお4月25日に18年3月期決算発表を予定している。
■JFEグループの情報システム会社
JFEグループの情報システム会社である。鉄鋼向け情報システム構築事業を主力として、ERPと自社開発ソリューションを組み合わせた一般顧客向け複合ソリューション事業、自社開発のプロダクト・ソリューション事業も強化している。
17年11月には健康経営を積極推進するため「JFEシステムズ健康宣言」を制定した。18年1月には本社を移転して首都圏オフィスを集約した。健康経営や働き方改革を推進する。18年2月には経済産業省と日本健康会議が共同で実施する健康経営優良法人2018(ホワイト500)大規模法人部門に選定された。
また18年2月にはクラウドセキュリティの国際規格ISO/IEC27017:2015認証を取得した。18年3月にはスミセイ情報システムと連携して日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)の電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証(JIIMA認証)を取得した。
17年3月期事業別売上高は鉄鋼が176億円、一般顧客が143億円、基盤サービスが33億円、子会社(JFEコムサービス)が39億円だった。情報システム関連のため、収益面では年度末にあたる第4四半期の構成比が高い特性がある。
中期経営計画(16年3月期~18年3月期)では高収益事業への構造転換を目指し、目標数値に18年3月期売上高400億円以上、経常利益20億円以上、純利益12億円以上、EPS150円以上を掲げている。利益目標値は17年3月期に前倒し達成した。
重点戦略として、JFEスチール製鉄所業務プロセス改革に向けたシステム刷新の遂行、ERPに自社ソリューションを組み合わせた一般顧客向け複合ソリューション事業の拡大、基盤サービス事業拡大に向けたクラウドサービスの立ち上げ、自動車など製造業顧客基盤の拡大、e-文書(電子帳票)ソリューションなど自社プロダクト拡販などを推進している。
■18年3月期は7期連続増収・営業増益予想、19年3月期も収益拡大期待
18年3月期の連結業績予想(2月23日に営業利益、経常利益、純利益を上方修正)は、売上高が17年3月期比4.9%増の410億円、営業利益が17.1%増の26億80百万円、経常利益が17.5%増の27億円、純利益が19.4%減の10億20百万円としている。
7期連続増収・営業増益予想である。JFEスチール製鉄所システムなど需要が高水準に推移する。コストダウン効果や一般顧客向け高採算案件の構成比上昇も寄与する。なお首都圏オフィス集約に伴う特別損失の計上、および税金費用の増加も見込んでいる。配当予想(2月23日に上方修正)は6円増配の年間50円(期末一括)としている。予想配当性向は38.5%となる。
19年3月期も収益拡大を期待したい。
■株価は売られ過ぎ感
株価は2300円近辺でのモミ合いから下放れて急落し、3月28日には1931円まで下押した。ただし売られ過ぎ感を強めている。
3月30日の終値1974円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS129円89銭で算出)は15~16倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は2.5%近辺、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS1550円23銭で算出)は1.3倍近辺である。時価総額は約155億円である。
日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が10%程度に拡大して売られ過ぎ感を強めている。反発が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)