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フォーカスシステムズはモミ合い煮詰まり感、受注好調で18年3月期大幅増益予想、19年3月期も収益拡大期待
- 2018/4/3 06:43
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
フォーカスシステムズ<4662>(東1)は、公共関連・民間関連のシステム構築・保守・運用を主力として、セキュリティ機器関連事業も展開している。受注が好調に推移して18年3月期大幅増益予想である。19年3月期も収益拡大を期待したい。株価はモミ合い煮詰まり感を強めている。
■システム構築・保守・運用を主力としてセキュリティ機器関連事業も展開
公共関連・民間関連のシステム構築・保守・運用・管理サービスを主力として、セキュリティ機器関連事業も展開している。17年3月期の事業別売上高構成比は公共関連事業35%、民間関連事業59%、セキュリティ機器関連事業7%だった。収益面では年度末にあたる第4四半期(1月~3月)の構成比が高い特性がある。
顧客別には、NTTデータ<9613>関連および日本IBM関連を主力として、CTC(伊藤忠テクノソリューションズ)<4739>関連、ITホールディングス関連、沖電気<6703>関連、ソフトバンク<9984>関連などが続いている。
中期成長に向けた重点戦略として、需要が潤沢なインフラビジネス分野における技術者の育成、ノウハウ蓄積にも繋がる運用系業務分野におけるシェア拡大、業務アプリケーション分野における専門技術への取り組み強化による対応領域拡大を推進している。優秀な人材確保への採用投資、現社員に高付加価値(最先端技術の習得やマネジメントスキル向上)を付けるための技術者への教育投資、ガバナンス強化を目的とした社内管理体制への人的投資も推進する。
18年1月には、指向性アンテナ機構を搭載したBLE送信機(ビーコン)と受信機の開発を目的として、名古屋工業大学とBluetoothで利用可能な指向性アンテナ機構の共同研究を開始した。また18年2月には、小型・軽量で防塵・防水認証を受けたBLEビーコン「timbe」の販売を開始した。
■18年3月期大幅増益予想、19年3月期も収益拡大期待
18年3月期の非連結業績予想(3月5日に増額修正)は、売上高が17年3月期比7.6%増の192億円、営業利益が35.9%増の10億10百万円、経常利益が36.8%増の10億円、純利益が21.6%増の6億70百万円としている。
各セグメントの受注が好調に推移して売上高が計画を上回ることに加えて、公共関連事業における徹底したプロジェクト管理と生産性向上、情報セキュリティ機器関連事業における官公庁向けサイバーセキュリティ製品の大型受注、トレーニング受講者の増加も寄与する。
配当予想(3月5日に増額修正)は3円50銭増配の年間16円(期末一括)としている。予想配当性向は33.5%となる。
■株主優待制度は3月末に実施
株主優待制度は、毎年3月末現在2単元(200株)以上保有株主を対象として保有株式数に応じたポイントを贈呈する。そのポイントを株主限定の特設ウェブサイト「フォーカスシステムズ・プレミアム優待倶楽部」において、約700種類の商品の中から選んで交換できる。ポイントは次年度へ繰り越す(最大2年間有効)ことができる。
■株価はモミ合い上放れの動き
なお17年11月28日に発表した第三者割当(大和証券)による行使価額修正条項付第1回および第2回新株予約権(潜在株式数第1回120万株、第2回100万株)について、3月16日時点で第1回新株予約権の行使が完了した。
株価は900円台でモミ合う展開が続いているが、煮詰まり感を強めている。
4月2日の終値934円を指標面で見ると、前期推定PER(会社予想EPS47円72銭で算出)は19~20倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は1.7%近辺、前々期実績PBR(前々期実績BPS524円24銭で算出)は1.8倍近辺である。時価総額は約152億円である。
週足チャートで見ると26週移動平均線を挟んでもモミ合う展開だが、煮詰まり感を強めている。52週移動平均線が接近して上放れを期待したい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)