朝日ラバーは戻り高値圏、18年3月期2桁営業増益予想で19年3月期も収益拡大期待

 朝日ラバー<5162>(JQ)はシリコーンゴムや分子接着技術をコア技術として、自動車内装LED照明光源カラーキャップ、医療・衛生用ゴム製品、RFIDタグ用ゴム製品などを展開している。18年3月期2桁営業増益予想で再増額余地がありそうだ。そして19年3月期も収益拡大が期待される。株価は調整一巡して戻り高値圏だ。上値を試す展開が期待される。

■自動車内装LED照明の光源カラーキャップが主力

 シリコーンゴムや分子接着技術をコア技術として、自動車内装照明関連の工業用ゴム製品、卓球ラケット用ラバー、医療・衛生用ゴム製品、機能製品のRFIDタグ用ゴム製品などを展開している。17年3月期のセグメント別売上構成比は工業用ゴム事業82%、医療・衛生用ゴム事業19%だった。

 自動車内装照明関連は、車載用小型電球の光源カラーキャップ「ASA COLOR LAMPCAP」や、車載用LED照明の光源カラーキャップ「ASA COLOR LED」が主力製品である。車載用「ASA COLOR LED」は高級車向けに加えて、小型車や軽自動車向けにも採用が拡大している。

 第12次三カ年中期経営計画「V-2計画」では経営目標値に20年3月期売上高70~80億円、営業利益率8%以上を掲げている。技術開発では、RFIDタグ用ゴム製品で培った技術を活用した簡易睡眠ポリグラフ検査用着衣型ウェアラブルシステム、風車用プラズマ気流制御用電極、視認性に優れ疲労低減特性のある自動車内装照明用LEDなどの開発を推進している。

■18年3月期2桁営業増益予想、19年3月期も収益拡大期待

 18年3月期連結業績予想(11月8日に増額修正)は、売上高が17年3月期比12.4%増の73億21百万円、営業利益が13.3%増の5億39百万円、経常利益が8.7%増の5億33百万円、純利益が9.0%増の3億72百万円としている。

 自動車関連「ASA COLOR LED」などが好調に推移し、研究開発強化や基幹システム入替など事業基盤強化に向けた費用の増加を、増収効果や生産性向上効果で吸収する。配当予想は17年3月期と同額の年間16円(第2四半期末6円、期末10円)としている。予想配当性向は19.4%となる。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比16.7%増の55億55百万円、営業利益が22.4%増の4億35百万円、経常利益が18.5%増の4億54百万円、純利益が13.5%増の3億15百万円だった。

 医療・衛生用ゴム事業がやや低調だったが、主力の工業用ゴム事業で、自動車内装照明用「ASA COLOR LED」の受注が中国向け中心に好調で想定を上回った。スポーツ用ゴム製品の卓球ラケット用ラバーや、RFIDタグ用ゴム製品の受注も好調だった。売上総利益率は25.8%で1.3ポイント低下したが、販管費比率は17.9%で1.7ポイント低下した。

 セグメント別に見ると、工業用ゴム事業は売上高が21.6%増の46億01百万円で、営業利益が45.2%増の5億20百万円、医療・衛生用ゴム事業は売上高が3.6%減の8億93百万円で、営業利益が24.5%減の1億46百万円だった。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75.9%、営業利益が80.7%、経常利益が85.2%、純利益が84.7%と高水準である。通期会社予想に再増額余地がありそうだ。そして19年3月期も収益拡大が期待される。

■株価は調整一巡して戻り高値圏

 株価は直近安値圏1100円台で調整一巡して反発している。4月3日には戻り高値となる1363円まで上伸した。

 4月3日の終値1332円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想連結EPS82円56銭で算出)は約16倍、前期推定配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は約1.2%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS880円48銭で算出)は約1.5倍である。時価総額は約62億円である。

 週足チャートで見ると、26週移動平均線と13週移動平均線を一気に回復して先高観を強めている。上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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