サンセイランディックは調整一巡感、18年12月期増収増益・連続増配予想で上振れ余地

 サンセイランディック<3277>(東1)は、一般的な不動産会社が手掛けにくい底地問題を解決する不動産権利調整ビジネスのスペシャリストである。18年12月期は増収増益・連続増配予想である。そして上振れ余地がありそうだ。株価は1月高値から反落したが調整一巡感を強めている。なお5月15日に第1四半期決算発表を予定している。

■「不動産の再生」をテーマとして不動産権利調整ビジネスを展開

 「不動産の再生」をテーマとして、一般的な不動産会社が手掛けにくい権利関係が複雑な底地(借地権が付着している土地の所有権)や居抜き物件(借手のいる古い共同住宅など)の権利調整、買い取り販売、管理など「不動産権利調整ビジネス」を主力としている。子会社のOnes Life ホームは建築事業(デザイナーズ戸建注文住宅、リフォームなど)を展開している。

 民泊関連への展開も推進し、17年6月には公認民泊予約サイト「STAY JAPAN」を提供する百戦錬磨(宮城県仙台市)と業務提携した。住宅宿泊事業法(民泊新法)の成立を受けて、公認民泊を利用した不動産の流動化・活用を目指す。

 17年7月には、百戦錬磨、生活サポート付家賃保証会社あんど(千葉県船橋市)と3者共同で、日本初の試みである「高齢者や障害を持っている方への住まいに関する生活支援のための共同事業」を、千葉県船橋市で試験的に開始した。今後は全国への展開を視野に入れて地域密着型のネットワーク体制を構築する。

 新中期経営計画では目標数値に20年12月期営業利益20億円超、経常利益19億円超、ROA12%超の維持を掲げた。次の成長ステージに向けた準備期間と位置付けて、基本方針は、不動産諸問題に対応する新規事業の推進と事業の収益化、既存事業の着実な成長、利益の還元(株主、社会、社員)としている。

■18年12月期増収増益・連続増配予想

 18年12月期連結業績予想は、売上高が17年12月期比33.5%増の174億82百万円、営業利益が3.9%増の18億30百万円、経常利益が2.1%増の17億03百万円、純利益が4.2%増の11億57百万円としている。

 大型の所有権の販売を予定して大幅増収予想である。コスト面では先行投資による人件費の増加を見込み、利益は小幅増益予想としている。ただし上振れ余地があるだろう。配当予想は3円増配の年間21円(期末一括)としている。連続増配予想で予想配当性向は15.2%となる。

■株主優待制度は毎年6月末に実施

 株主優待制度は、毎年6月30日現在の1単元(100株)以上保有株主を対象として、保有期間と株数に応じて、栃木県那須塩原市にあるパン・アキモトの「パンの缶詰」オリジナルセットを贈呈している。

■株価は調整一巡感

 株価は1月の上場来高値1506円から反落して上値を切り下げる形となったが、3月26日の直近安値1136円から切り返して調整一巡感を強めている。

 4月4日の終値1255円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS138円55銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間21円で算出)は約1.7%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS957円50銭で算出)は約1.3倍である。時価総額は約105億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線で下ヒゲを付けて切り返した。サポートラインを確認した形だ。出直りが期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■更新前のスーパーコンピュータの約4倍の計算能力  富士通<6702>(東証プライム)は2月21日…
  2. ■両社の資源を有効活用しSDGsに貢献  伊藤忠商事<8001>(東証プライム)グループのファミリ…
  3. ■純正ミラーと一体化し、左後方の視界を広げる  カーメイト<7297>(東証スタンダード)は、純正…
2024年3月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■投資と貯蓄の狭間で・・・  岸田内閣の「資産所得倍増プラン」は、「貯蓄から投資へ」の流れを目指し…
  2. ■「ノルム(社会規範)」解凍の序章か?植田新総裁の金融政策正常化  日本銀行の黒田東彦前総裁が、手…
  3. ■「日経半導体株指数」スタート  3月25日から「日経半導体株指数」の集計・公表がスタートする。東…
  4. ■投資家注目の適正株価発見ツール  日銀の価格発見機能が不全になる可能性がある中、自己株式取得が新…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る