【新規上場(IPO)銘柄】和心は新規出店で高い成長続く、需給が改善するか見極めへ

株式市場 IPO 鐘

 和心<9271>(東マ)は、3月29日に東京証券取引所マザーズに上場した。同社は「日本のカルチャーを世界へ」を経営理念に、「日本文化を感じるモノを作り販売する」モノ事業と「日本文化の良さを体験してもらう」コト事業の2つの事業を展開している。

 2つの事業のいずれにおいても、インターネット上での周知・拡散を集客手段の基本とし、京都をはじめとした国内の主要都市・観光地においてドミナント出店を行うことで、顧客が最初に接点を持った1店舗・媒体を入口に、他店舗/他媒体への興味・関心を喚起することで、顧客に複数の製品と購買機会を提供するビジネスモデルを展開している。

 モノ事業では、自社のデザイナーが手掛けた和アクセサリー、かんざし、和傘、浴衣など、オリジナルブランドを、最高のおもてなしで、作り手のこだわりを伝える店舗を運営している。モノ事業の店舗は、2017年12月期末において44店舗で展開しているが、18年12月期は新規出店22店舗と閉店4店舗を計画し、同年12月期の期末店舗数は62店舗となる予定。

 コト事業では、観光や冠婚葬祭で着る着物のレンタルをはじめ、着付けや荷物のお預かり、ヘアセットまで提供し手ぶらで着物を楽しめる店舗での着物レンタルサービスを提供しているほか、ECサイトで着物一式を借りることができる宅配着物レンタルサービスも運営している。 コト事業の店舗は、2017年12月期末において11店舗を展開しているが、18年12月期は新規出店9店舗を計画し、同年12月期の期末店舗数は20店舗となる予定。

 今2018年12月期第2四半期業績予想は、売上高15億0600万円(前年同期比38.4%増)、営業利益8100万円(同24.1%減)、経常利益7100万円(同32.3%減)、純利益4200万円(同36.0%減)を見込む。

 今18年12月期業績予想は、売上高35億8800万円(前期比44.2%増)、営業利益3億5000万円(同44.8%増)、経常利益3億4000万円(同38.5%増)、純利益2億1300万円(同41.7%増)を見込む。上場で調達した資金は規出店のための設備投資、システム投資などに充てる計画で、年間配当予想は、無配を予定している。

 株価は、上場2日の30日に公開価格1700円の2.68倍相当の4555円で初値をつけ、同日高値4600円と買われた後、上値を切り下げ、5日安値3655円と下げている。今12月期モノ事業の店舗は、18年12月期新規出店22店舗と閉店4店舗を計画し、同年12月期の期末店舗数は62店舗となる予定で、同コト事業の店舗は、同12月期新規出店9店舗を計画し、同年12月期の期末店舗数は20店舗となる予定で高い成長が続くと予想される。ただ、この4月はIPOが多く換金売りが出やすくなっており、需給が改善するか見極めるところ。 大きく突っ込む場面があれば、リバウンド狙いで買いを考えたい。(株式評論家・信濃川)

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